ホームページを作り直したい、という相談を福祉の事業所から受けることがあります。見た目が古い、スマートフォンで見づらい、写真が暗い。挙がってくる理由はだいたいそのあたりです。
ただ、作り直す前に確かめたほうがいいことがあります。そのページに来る人は、何を目的に検索しているのか、ということです。
調べ方は三つに分かれる
検索する人の目的は、大きく三つに分けられます。
ひとつめは、知りたい人。制度の名前は聞いたけれど中身がわからない、という段階です。「就労継続支援とは」のような調べ方をします。
ふたつめは、探している人。制度は理解していて、通える範囲でどこがあるかを見ています。地域名と種別を組み合わせて調べます。
みっつめは、決まっている人。事業所の名前をそのまま入れて検索します。名前を知っているということは、どこかで話を聞いてきたということです。
この三つは、同じホームページに来ても、見たいものがまったく違います。
「知りたい」で来た人に、申し込みを迫らない
制度を調べている段階の人に、見学の申し込みボタンを大きく出しても押されません。まだ、そこまで来ていないからです。
この段階で必要なのは、わかりやすい説明です。専門用語を並べずに、どういう制度なのか、誰が使えるのか、どういう流れになるのかを書く。ここで信頼を得ておくと、次の段階で思い出してもらえます。
すぐに問い合わせにならないから無駄だ、と切り捨てる事業所は多いのですが、私はここを大事にしたほうがいいと思っています。福祉のサービスは、調べ始めてから実際に動くまでに時間がかかります。その時間のあいだ、どこの説明がいちばんわかりやすかったかは、意外と覚えられているものです。
「探している」で来た人が、いちばん取りこぼされている
三つのうち、成果に直結しやすいのは二番目です。地域と種別で探している人は、もう使う気があります。
ところが、この層に向けたページを持っていない事業所が非常に多い。トップページに事業所の理念と沿革が並んでいて、どの地域にあるのか、何をしているのかが、すぐには読み取れない。探している人は、確かめたいことが確かめられなければ、次の候補へ移ります。
ここは手を入れる価値があります。どこにあって、何をしていて、どういう人が通っているのか。それが最初の画面で伝わるかどうかだけの話です。
名前で来た人には、確かめたいことがある
事業所名で検索してくる人は、すでに誰かから聞いています。相談支援専門員かもしれないし、家族かもしれない。
この人が知りたいのは、聞いた話が本当かどうかです。実在するのか、いま受け入れているのか、連絡先はどこか。凝った説明はいりません。事実が整理されて載っていることのほうが大事です。
どこから手をつけるか
三つ全部に応えるページを一度に作ろうとすると、たいてい途中で止まります。
先に手をつけるなら、二番目です。探している人に向けた情報を整える。地域、種別、対象、通う流れ。この四つが読み取れる状態を作るだけで、届き方が変わります。
見た目を新しくするのは、そのあとでも構いません。順番を逆にすると、きれいだけれど何を見ればいいかわからないページができあがります。
私がこの順番を勧めるのは、直した効果が確かめやすいからでもあります。情報を足したページは、届いたかどうかが後から見て取れます。見た目だけを変えた場合、良くなったのか悪くなったのかが、しばらく判断できません。手を入れるなら、結果が見える側から先に触ったほうがいいと私は考えています。
まとめ
ホームページに来る人の目的は、知りたい・探している・決まっている、の三つに分かれます。それぞれ見たいものが違います。
作り直す前に、自分の事業所のページがどの人に向いているかを確かめてください。たいていの場合、いちばん成果に近い「探している人」向けの情報が、いちばん薄くなっています。
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