事業所のホームページに、見学案内のページがある。連絡先も載せてある。それでも申し込みが来ない。そういう相談を受けることがあります。
原因はたいてい、そのページがあれもこれも載せすぎていることにあります。
情報が多いページは、迷わせる
見学案内のページに、事業所の理念、沿革、職員の紹介、他のサービスの案内、採用情報へのリンクまで並んでいることがあります。
作る側の気持ちはわかります。せっかく見てもらうのだから、全部伝えたい。ただ、読む側からすると、いま自分が何をすればいいのかが埋もれます。選択肢が並ぶほど、人はその場で決めなくなります。
ひとつのことだけを載せるページ
こういうとき、私は一枚だけ、目的をひとつに絞ったページを作ることを勧めています。
そのページに載せるのは、見学に来てもらうために必要なことだけです。どこにあるか、いつ受け付けているか、何を持っていけばいいか、当日どういう流れになるか、申し込みはどこからか。それ以外は載せません。
他のサービスの案内も、採用情報も、そのページには置かない。読んだ人が横道に逸れる出口を減らすためです。
このやり方は、もともと商品を売るための作りとして知られているものです。ただ、考え方そのものは福祉の現場でもそのまま使えます。やってほしいことがひとつなら、ページもひとつのことだけを伝える。
不安を先に消しておく
福祉のサービスで見学を申し込むときには、独特の緊張があります。
初めて行く場所で何を聞かれるのか。家族も一緒でいいのか。断りたくなったとき、その場で言えるのか。合わなかった場合はどうなるのか。こういう不安は、たいてい誰にも聞けないまま抱えられています。
その不安を、ページの側から先に書いてしまうと、申し込みの敷居がぐっと下がります。見学は決定ではないこと、当日決めなくていいこと、家族の同席ができること。当たり前だと思っていることほど、書かれていません。
作る側にとっては言うまでもないことが、読む側にとっては最大の不安だったりします。
電話だけの窓口にしない
もうひとつ、よくある形が「詳しくはお電話ください」で終わっているページです。
電話をかけるという行為は、思っているよりも重い。何を話せばいいかわからない、時間帯に気を使う、その場で答えられないことを聞かれたら困る。当事者にとっても家族にとっても、そこで止まる理由は十分にあります。
書いて送れる窓口を一緒に置いておくだけで、届く数が変わります。電話をなくす必要はありません。両方あればいい、という話です。
一枚から始める理由
ホームページ全体を作り直すのは、費用も時間もかかります。決裁もいる。だから、たいていは先送りになります。
一枚だけなら、今週のうちにできます。うまくいけば、そこから広げればいい。うまくいかなければ、その一枚だけ直せばいい。
全体を作り直す話は、どこが効いたのか最後までわからないという問題も抱えています。一枚ずつなら、何が効いたかがわかります。
私がこのやり方を勧めるのには、もうひとつ理由があります。現場の負担が小さいことです。ホームページ全体の作り直しには、写真の撮り直しも、文章の総点検も、内部の合意形成もついてきます。日々の支援を回しながらそれをやるのは、現実にはかなり難しい。一枚なら、書ける人がひとりいれば進みます。私は、続く形かどうかを最初に見るようにしています。
まとめ
見学の申し込みが来ないとき、原因はページに情報が多すぎることにある場合があります。
目的をひとつに絞ったページを一枚だけ作ってみてください。載せるのは見学に必要なことだけ。不安を先に消しておく。書いて送れる窓口も置いておく。
全部を直すより、一枚を直すほうが、たいてい早く結果が見えます。
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