GoHighLevelの公式MCPは、Claudeにつなげる口です。「1回の認証で、すべてのサブアカウントを触れる」という話を聞いて、試した方も多いと思います。
私たちは、代理店用のトークンとロケーション(サブアカウント)用のトークンの両方で、公式MCPの2026年8月末の姿を実測しました。結論は、「横断」と「深さ」は同時に持てない、というものです。
接続の形
接続先は、Claude向けの専用の口です。使えるツールは4つでした。
- search_operations:操作を検索する
- describe_operation:操作の詳細を見る
- execute_operation:操作を実行する
- list_locations:ロケーションを列挙する
実行の際、locationId は2か所に要ります。execute_operation の引数と、params の中の両方です。片方だけだと、期待したアカウントに届きません。
対照した結果
2種類のトークンを、2つの深さで当てて比べました。
- 代理店トークンで、任意のサブアカウントの基本情報を読む:成功。横断はできる
- 代理店トークンで、そのタグの一覧を読む:401。深くは行けない
- ロケーショントークンで、自分のタグの一覧を読む:成功。深く行ける
- ロケーショントークンで、別のサブアカウントの基本情報を読む:403。横断はできない
横断のトークンは深く行けず、深いトークンは横断できません。両方を持つトークンは、存在しませんでした。1本の鍵で全部やろうとすると、どちらかで詰まります。
実際に起きたこと
代理店トークンの1本で、86のサブアカウントを列挙できました。そのうち3つの基本情報が読め、1つは、自前の台帳に「トークン未発行」と書いてあったアカウントです。鍵を足さずに読めました。
ところが、同じ鍵で、タグ、カスタム値、カスタムフィールド、重複コンタクトの検出、カレンダー、パイプライン、ブログ、ワークフローを読むと、すべて401でした。内容は「このトークンは、このスコープを許可されていない」です。
「全部できる」と書くと外す
私たちが気づいたのは、「全アカウントへ1回の認証」を、成立か不成立かの二択で報告すると外れることです。経路と権限で、割れています。
経路は、通っています。権限は、深い層で開いていません。公式の説明にも、代理店全体への接続は「順次展開中」とあり、単一のサブアカウントだけが選べる接続では、この選択肢が有効になっていないことがある、と書かれています。
残りのピースは、代理店の単位でのOAuthのインストールです。伝え聞いた「全ロケーションに触れる」を前提に手順を組むと、深い層で止まります。
着手前の1回の確認
深い層を触る仕事では、着手の前に、タグの一覧を1回だけ読んでみます。401なら、代理店のOAuthが未完了です。その先を組むのは、やめます。この確認は数秒で済み、組んだあとで壊れる損を避けられます。
公式の説明と実物の食い違い4点
実物を叩いて、公式の説明と違う点を4つ見つけました。
- ツールの数:説明は6つだが、実際の一覧には4つしか出ない
- 検索の絞り込み:説明は、許可された操作だけに絞られるとあるが、削除の操作も普通に一覧へ出る。遮断は、実行時の401だけ
- スコープの表:旧来の口と新しい口のメタデータは、154個で完全に一致し、差がない。新しい口が広いのは、操作の一覧の話
- ロケーションの列挙:トークン接続では500で返る。ツールは見えるのに、中身がない
2点目は大切です。検索結果に出ているからといって、使えるとは限りません。使えるかどうかは、実行して、401が返るかで決まります。
運用上の指針
この結果を踏まえて、私たちは次のように決めました。
- 横断が目的の仕事は、代理店トークンで、基本情報の読み取りまでに限る
- 深い読み書きは、そのアカウントのロケーショントークンで行う
- 新しい仕事の最初に、1回だけ深い層を読み、401なら計画を縮める
「見えている」と「使える」は別、という点をClaude Codeにも最初に伝えておくと、同じところで詰まりません。
再測定でも、壁は同じだった
数日あけて、もう一度同じ試験を流しました。結果は、変わりませんでした。列挙できるサブアカウントは87に増えていましたが、深い層の401と、横断のできないロケーショントークンの403は、そのままでした。
代理店のOAuthのインストールが、公式に完了するまでは、この壁は動きません。再測定は、壁が動いていないことを確かめる作業で、短時間で済みます。仕事の計画を立てる前に、1回だけ流しておくことをお勧めします。
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