AIとの作業は、会話が終わると文脈が消えます。次のセッションに引き継ぐには、会話の外に残す場所が要ります。私たちは、その場所にGoHighLevelのコンタクトのノートを使っています。
この記事では、ノートに引き継ぎを書く作法と、運用で踏んだ4つの罠をお伝えします。
ノートは、オポチュニティではなくコンタクトにぶら下がる
最初に押さえたいのは、ノートの置き場所です。GoHighLevelでは、ノートはコンタクトに紐づきます。オポチュニティ(カード)には、ノートの口がありません。
口は、コンタクトの下にあります。一覧の取得と追加の、2つです。そのため、「カードの裏に記録を書く」と言っても、実際にはそのカードの相手のコンタクトにノートを足すことになります。
この作りを、AIの引き継ぎに使います。AIごとに専用のコンタクトを用意し、作業が終わるたびに、そのコンタクトへノートを足します。次のセッションは、そのコンタクトのノートを読めば、続きから始められます。
引き継ぎのノートに書くこと
ノートの本文は、読む側が会話を知らない前提で書きます。私たちは、次の4点を入れています。
- 決まったこと(結論だけを短く)
- 作ったファイルのフルパス
- まだ決まっていないこと
- 次にやること
ファイルの場所は、いつもフルパスで書きます。「さっきのファイル」は、次のセッションには何も伝わりません。
次にやることが人や別のAIの手番なら、タスクも一緒に起票します。期限は3日後のように、短めに置きます。ノートは「これまでの記録」、タスクは「これからの依頼」と、役割を分けています。
罠1:カードのIDだと思った20桁が、コンタクトのIDだった
ある依頼書に、「このカードの裏に記録を足してほしい」と、20桁のIDが書かれていました。そのIDでオポチュニティを読み出すと、404でした。「カードは存在しない」と報告しかけましたが、念のため別の見方を試しました。
同じIDをコンタクトとして読み出すと、200が返りました。ノートも付いていました。依頼書が「カードのID」と呼んでいたのは、実はコンタクトのIDだったのです。オポチュニティのIDは、別のものでした。
404で止まらず、IDの種類を疑う
理由は、先ほどの作りにあります。記録を足す先はコンタクトなので、記録の文脈で渡されるIDは、自然とコンタクトのIDになります。
私たちは、404が返ったときの手順を決めました。
- オポチュニティとして404なら、コンタクトとして読み出す
- コンタクトとして読めたら、そのノートの一覧を見る
- オポチュニティのIDが要るときは、盤面を採取した一覧から、コンタクトのIDで逆引きする
404は「その種類のIDではない」という意味であって、「存在しない」という意味ではありません。
罠2:長い応答は、途中で切れる
もう一つは、道具の側の癖です。私たちが使っている呼び出しの補助は、応答を一定の長さで切ります。ノートの一覧のように長い応答は、JSONとして壊れた形で返ります。
ノートを数えたり照合したりするときは、補助を使わず、自前の通信で受けるようにしました。通信の際は、ブラウザらしい User-Agent を付けます。付けないと、Cloudflareの制限で403になります。その点は、403の記事に書きました。
罠3:控えの日付が、2つの書式に割れる
ノートを外にも控えとして保存しておくと、あとで検索できて便利です。ただ、私たちの控えには、日付が2つの書式で混ざっていました。
控えの6,333件のうち、ISO形式のものが1,148件、米国式のものが5,185件でした。ISO形式だけを拾う読み方をすると、全体の2割ほどしか拾えず、残りが黙って消えます。
原因は、書き出しに使ったPowerShellの版でした。新しい版は、JSONの日付を日付型に変換するため、文字にしたとき米国式になり、ミリ秒も落ちます。古い版は、文字のまま扱うため、ISO形式が保たれます。
対策は、読む側を両方の書式に対応させることです。書式が割れている前提で、日付を1つの形に揃えてから数えます。数え終わったら、総数が見出しの数と一致するかを、1回確かめます。
担当者の割り当てが、422で弾かれたとき
引き継ぎのタスクに担当者を付けるとき、まれに422で弾かれます。ユーザーのIDが、そのロケーションで有効でないときなどです。
私たちの引き継ぎ用のスクリプトは、この422を受けたら、担当者を外して同じタスクをもう1回だけ起票します。引き継ぎそのものが止まる事故を、避けるためです。担当者が空のタスクは、あとで割り当て直せます。記録が失われるほうが、はるかに高くつきます。
次に読む
ノートや控えを読むとき、一覧を最後までたどれているかが問題になります。コンタクトの一覧が同じ100件を返し続ける罠は、一覧の取得の記事にまとめました。
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