人に紹介して収入を作る、という話は昔からあります。仕組みそのものは単純で、始めるのに元手もほとんど要りません。それなのに、最初のひと月で手が止まる人が多い。理由は、たいてい仕組みの理解ではなく、商売としての見立てを取り違えているところにあります。
私も一時期やっていました。うまくいったとは言えませんが、そのぶん、どこで間違えるかは分かったつもりでいます。
これは「代わりに売る」商売ではない
昔ながらの代理店を思い浮かべる人が多いはずです。旅行の切符や、保険の窓口。あれは、大元の会社に代わって自分が売る形です。契約を取ってくるのは自分で、話をまとめるのも自分です。
ところが、紹介の仕組みはそこが違います。売るのは、あくまで紹介した先の会社です。こちらがやるのは、読む人に「こういう選び方があります」と伝えて、条件に合う先を案内するところまで。申し込みも、契約も、その後のやり取りも、全部あちら側で起きます。
ここを取り違えると、売り込む文章を書いてしまいます。読む人からすると、売る立場でもない人に押し込まれる形になるので、まず読まれません。
なお、紹介の受け皿を用意している会社は、たいてい間に立つ運営の会社と組んでいます。書き手はそこに登録して、案内できる先を選ぶ形になります。手続きとしては、それだけです。
私がやったのは、比べる記事を書いただけだった
以前、車を買うときの借り入れについて記事を書いたことがあります。返済の途中で利率が動く借り方と、最初から最後まで動かない借り方があり、私は後者をすすめました。今後どちらに動くかは誰にも分かりませんが、将来の支払いが先に決まっていることには、それ自体に安心があるからです。
その考え方を先に書いて、最後に「この条件に合うのはこちらです」と案内を置きました。私がしたのはそれだけです。売り込む文は一行も書いていません。
お金は、思っているよりずっと遅れて届く
もう一つ、始める前に知っておいたほうがいいのが時間の感覚です。
読んだ人が申し込み、その申し込みが受け付けられ、実際に契約まで進んで、はじめて紹介の実績になります。そこからさらに、間に入っている会社を通して支払いが動きます。書いた月に入るものではなく、季節がひとつ変わったころに届く、くらいに構えておくのがちょうどよいと思います。
すぐ現金になると思って始めると、たいていこの待ち時間で心が折れます。手が止まるのは、たいていここです。
立場を隠すと、あとで全部失う
書き手が受け取っている立場を明かさずに、あたかも自分がいちばん好きだから紹介しているように書く。これは、後から必ず問題になります。よく知られた人が同じことをして騒ぎになる例を、私たちは何度も見てきました。
紹介料を受け取る関係があるなら、そう書く。品物を提供されたなら、提供を受けたと書く。食べ物を取り上げるときも同じで、作り手から現物を送ってもらったのなら、その一行を添えるだけです。書いたところで、読む人はそれほど気にしません。むしろ、隠していたと分かったときに失うものの方が大きいのです。
商品から書き始めない
最初に間違えるところを一つだけ挙げるなら、ここです。
紹介したい商品が先にあって、その良いところを並べる。この順番で書くと、どうしても宣伝になります。逆にして、読む人が何で迷っているか、何を基準に選べばいいのかを先に書く。その基準に照らして合うものとして、最後に置く。同じ商品を紹介していても、読まれ方がまるで違います。
そして、この順番で書き続けていると、面白いことが起きます。自分の書くものに人が集まってくると、紹介の仕組みを使わなくても、こちらが扱っているものが動くようになります。私は、そちらが本筋だと考えています。紹介の仕組みは、そこへ行くまでの練習台として、ちょうどよくできています。
始めるなら、まず自分が最近迷って選んだものを一つ思い出して、その選び方を書いてみてください。商品名は最後まで出さなくて構いません。
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