集客の話は、どこでもよく聞きます。どうやって知ってもらうか、どうやって足を運んでもらうか。ところが、その次にあるはずの話が抜けていることが多いのです。来てくれた人、見てくれた人と、そのあとどうやってつながり続けるのか。
人は、知った日に買うとは限りません。むしろ、ほとんどの人は買いません。だからこそ、もう一度こちらから話しかけられる場所を持っているかどうかで、その後がまるで変わります。発信の話と、受け皿の話は別々に考えたほうがいいと私は思っています。
発信は入口、受け皿は出口の手前にある
順番に整理します。まず発信があって、人が集まる。ここまでは多くの会社が手をつけています。
問題はその次で、集まった人がそのまま流れていってしまう。見て、へえと思って、それきりになる。ここに受け皿を置いておくと、二度目に話しかける機会が生まれます。日本では、その受け皿としてLINEが強い場所にあります。ふだんの連絡に使っている人が多く、新しく何かを始めてもらう必要がないからです。
何ができるのかを、先に見ておく
日々のやり取りに使うものという印象が強いのですが、商売のために使う側には別の管理画面が用意されています。
登録してくれた人にまとめて知らせを送る。個別にやり取りする。よくある問い合わせに決まった返事を自動で返す。来店のたびに記録を貯める。どれくらい読まれたかを見る。おおよそ、このあたりが一通り揃っています。ある通数までは費用がかからない形で始められるので、まず作ってみて、足りなくなってから考えれば十分です。
登録した直後から、順番を決めて何通か送っていく仕組みもあります。最初に何を伝えるかを一度決めておけば、あとは同じ順番で届きます。
画面の下に出しておく案内板のようなものも用意できます。押したら説明の動画に飛ぶ、申し込みの用紙に飛ぶ、面談の予約の画面に飛ぶ。行き先を数枚の絵にして並べておくと、こちらから催促しなくても、必要な人が勝手に進んでくれます。
登録してもらうには、登録する理由が要る
ここが、いちばん軽く見られているところです。
「ぜひご登録ください」と書いてあるだけの案内は、まず登録されません。相手からすれば、知らせが増えるだけだからです。受け取れるものを用意して、それを先に見せる。何かを差し上げる企画でも、ここでしか出していない案内でも構いませんが、理由なしに連絡先を渡してくれる人はいない、と考えたほうが早いです。
普段の暮らしの中で、この観察はいくらでもできます。入った店に登録の案内が貼ってあったら、どこに置かれていたか、何がもらえると書いてあったかを見ておく。私はレジの周りを見る癖がついてしまいました。うまい案内は、たいてい人の目線の高さにあります。
連絡の手立てを、一つに寄せない
もう一つ、組み立てるときに私が気をつけていることを書いておきます。連絡の道を一本に絞らないことです。
手軽に届く道と、じっくり読んでもらう道は、それぞれ向き不向きがあります。すぐ読まれる代わりに短い文しか置けない道もあれば、開かれるまでに時間がかかる代わりに長く書ける道もあります。両方に役割があるので、片方だけに寄せると、伝えたいことの形が制限されます。
使えなくなる日を、想定に入れておく
そしてもう一つ。この種の窓口は、決まりに触れる書き方をすると使えなくなることがあります。悪意がなくても、言葉の選び方ひとつで止まることがある、という前提で組んでおいたほうが安全です。
対策は単純で、窓口を一つに集中させないことです。連絡の道がそこにしかない状態だと、止まった日にすべてが止まります。分けて持っておけば、片方が使えなくなっても、もう片方から知らせを出せます。
今週やることを一つ挙げるなら、自分が客として入った店で見かけた登録の案内を、一つ思い出してみることです。何がもらえると書いてありましたか。それを自分の店に置き換えたら、何を差し上げられるか。そこまで書き出せたら、今週は上出来です。
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