ケース会議の記録をAIでまとめ、次の一手を書き出す

利用者さんの様子に気になる変化があったとき、職員が集まって支援の進め方を話し合う。ケース会議と呼ばれる場です。現場の気づきを持ち寄り、関わり方をそろえるための、大切な時間です。

ところが、この会議の記録が残りにくいという声をよく聞きます。話し合いに集中すると、メモを取る人がいなくなる。走り書きは残っても、何を決めたかが分からない。1か月後に「あのとき何を決めたか」を思い出せない。

私たちが運営する就労継続支援B型の事業所「フェイス・トゥー・フェイス」は、もともと会議の録音をAIで文字にして要約する作業を、事業所の作業としても扱ってきました。この記事では、その経験をもとに、ケース会議の記録をAIでまとめ、次の一手を書き出す進め方をお伝えします。

目次

録音するなら、先に決めておくこと

会議を録音して文字にする方法は、記録の取りこぼしを減らします。ただし、ケース会議は利用者さんの個人的なことを話す場です。録音する前に、次のことを決めておきます。

  • 録音は事業所の端末で行い、職員の私物の端末は使わない
  • 文字にしたあとは、録音を消す。いつまでに消すかを決めておく
  • 会議の中では、利用者さんを名前ではなく記号で呼ぶ

最後の決まりは、慣れるまで少し話しにくく感じるかもしれません。それでも、記録を外の道具に通す以上、名前を声に出さないことが、いちばん確実な守り方です。録音をしない場合は、走り書きのメモを書く段階から記号を使います。

頼み方の型

文字にした会議の内容、または走り書きのメモを、AIに渡してまとめてもらいます。頼み方は次のような形です。

  • これはケース会議の記録です。利用者さんは記号で呼んでいます
  • 「気になっている変化」「出た意見」「決めたこと」「決まらなかったこと」の4つに分けてまとめてください
  • 「決めたこと」には、誰が、いつまでに、何をするかを書いてください。会議で担当や期限が決まっていなければ、「担当未定」「期限未定」と書いてください
  • 会議で出ていない意見や結論は足さないでください

3つめの頼み方が、この記事のいちばんの要です。ケース会議の記録があいまいになる理由の多くは、決めたことに担当と期限がないことです。AIに「決まっていなければ未定と書いて」と頼むと、会議の中で決め切れていなかったことが、はっきり見えます。

「決まらなかったこと」を残す

もう1つ大事なのが、「決まらなかったこと」の欄です。話し合ったけれど結論が出なかったことは、記録から抜け落ちやすいものです。けれど、次の会議で最初に話すべきなのは、まさにそこです。

AIにまとめてもらった記録を、次の会議の冒頭で読み上げます。前回決めたことがどうなったか、決まらなかったことをどうするか。そこから話を始めると、会議が前に進みます。

人が確かめること

まとめてもらった記録は、司会をした職員が読み直します。確かめるのは、次の点です。

  • 意見が、言った人の意図と違う形でまとめられていないか
  • 誰かの推測が、事実のように書かれていないか
  • 「決めたこと」が、会議で本当に決まったことか

ケース会議では、「たぶん家で何かあったのでは」のような推測が出ることがあります。AIがそれを「家庭で問題があった」と事実のようにまとめてしまうと、記録が独り歩きします。推測は推測と分かる書き方に直します。

日々の記録とつなげる

会議で決めた次の一手は、日々の支援記録とつなげて見ていきます。たとえば「午後の作業の前に、本人と5分話す時間を取る」と決めたなら、その結果を日々の記録に残し、次の会議で振り返ります。

記録を声で残すやり方は音声メモから記録の下書きを作る記事に、半年分の記録の読み返し方はモニタリングの前の読み返しの記事にまとめています。会議の記録と日々の記録がつながると、支援の見直しが楽になります。

会議の前にも、AIを使う

記録のまとめだけでなく、会議の前の準備にもAIは使えます。話し合う利用者さんの、ここ1か月の支援記録を記号のまま渡し、「気になる変化」と「確かめたいこと」を挙げてもらいます。それを会議の前に参加する職員に配っておくと、会議の最初の10分を、状況の説明ではなく話し合いに使えます。

ただし、準備でAIが挙げた点は、あくまで記録から拾ったものです。会議の場で、日々接している職員から「それは違う」という声が出たら、そちらを優先します。記録に残らない様子を知っているのは、現場の職員だからです。

会議の時間そのものを短くする

記録をAIに任せられると、会議中に議事録を取る役が要らなくなります。全員が話し合いに集中できます。さらに、前回の記録を読み上げて始める習慣がつくと、同じ話を繰り返すことが減り、会議そのものが短くなります。

ケース会議は、利用者さんの暮らしと働き方を支えるための時間です。記録のための時間ではありません。AIを使って記録の手間を減らし、話し合いの中身に時間を使ってください。

この10本の全体の地図はAIに任せる仕事と任せない仕事の記事にまとめています。次のケース会議で、まず「決めたこと」に担当と期限を書く欄を1つ作るところから試してみてください。

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この記事を書いた人

(株)トレジャーハンティング、アイ・シー・エス通商(株)、(株)ヒミコ代表取締役。15年以上、自社のネット集客を手掛けてきた実績をもとに、ネット集客コンサルティングを行ってきた。現在、GoHighLevelを使ったGoogleマップレビュー代行を中心に活動している。

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