利用者さんの作業日報は、選んで書く形にすると短くなる——項目の決め方

作業の終わりに、利用者さんが1日を振り返って書く作業日報。多くの事業所で続けられている大切な習慣です。

ただ、現場を見ていると、この日報が負担になっている場面によく出会います。白い紙を前にして、何を書けばいいのか分からず手が止まる方。毎日同じ「がんばりました」で終わる方。書くのに時間がかかり、帰りの送迎に間に合わなくなる方。読む職員の側も、1枚ずつ文字を追うだけで夕方の時間が過ぎていきます。

私は、日報の多くを「選んで書く形」に変えることを勧めています。この記事では、その項目の決め方をお伝えします。

目次

自由記述は、思っているより難しい

「今日の作業について書いてください」という問いは、書く側に多くのことを求めています。何を思い出すか決め、どう言葉にするか考え、それを文字にする。文章を書くのが得意な方には何でもないことでも、苦手な方にとっては作業そのものより疲れる仕事になります。

選んで答える形にすると、書く側の負担がぐっと軽くなります。思い出す手がかりが目の前にあり、自分に近いものを選ぶだけで済むからです。その分、残りの力を「一言だけ書く欄」に向けられます。

選ぶ項目は、毎日同じものにする

選ぶ項目を決めるときは、毎日同じものを並べることが大切です。日によって項目が変わると、前の日と比べられなくなるからです。

たとえば、次のような項目が考えられます。

  • 今日した作業(袋詰め、清掃、部品の組み立て、などから選ぶ)
  • 作業のはかどり具合(よくできた、ふつう、むずかしかった)
  • 体の調子(元気、すこし疲れた、つらい)
  • 休憩はとれたか(とれた、とれなかった)
  • 明日やってみたいこと(同じ作業、ちがう作業、職員と相談したい)

答えの選択肢は、3つか4つに絞ります。細かく分けすぎると、選ぶこと自体に迷ってしまいます。言葉だけで分かりにくい方には、表情の絵を添えるのも1つの方法です。

一言の欄は、1つだけ残す

すべてを選ぶ形にすると、今度はその人らしい言葉が消えてしまいます。そこで、自由に書ける欄を1つだけ残します。

問いは「今日いちばん印象に残ったこと」「職員に伝えたいこと」など、答えやすい形にします。空欄のままでもよいと伝えておくと、書くことへの構えがやわらぎます。毎日は書かなくても、書きたい日にだけ書かれた一言には、大事な気持ちが込められていることが多いものです。

紙でもフォームでもできます

選んで書く形の日報は、紙でも作れますし、タブレットやスマートフォンから答えるフォームにすることもできます。フォームにすれば、答えがそのまま記録として残り、手で集計し直す手間がなくなります。

どちらにするかは、利用者さんが使いやすいほうで決めてください。紙のほうが落ち着いて書ける方もいれば、画面を指で選ぶほうが楽な方もいます。両方を用意して、本人に選んでもらう事業所もあります。

読む側は、変化を見る

選んで答える形にすると、読む職員の仕事も変わります。1枚ずつ文章を読み込むのではなく、答えの並びを見て、いつもと違うところを探すようになります。

「このところ3日続けて『すこし疲れた』を選んでいる」「好きだった作業で『むずかしかった』が続いている」。こうした変化は、自由記述の日報では気づきにくいものです。選んだ答えが並んでいると、声をかけるきっかけが自然に見えてきます。

気づいた変化は、日報に職員が短く返事を書く、翌朝に一言声をかける、といった形でご本人に返します。書いたものが読まれていると分かると、日報は続けやすくなります。

項目は、利用者さんと一緒に決める

選ぶ項目や選択肢の言葉は、職員だけで決めずに、利用者さんの声を聞きながら決めるのがおすすめです。職員が「分かりやすい」と思った言葉が、本人には伝わりにくいことがあるからです。

たとえば「はかどり具合」という言葉より、「今日の作業はどうだった?」のほうが答えやすい方もいます。「疲れた」を選ぶことに抵抗がある方には、「ひと休みしたい」という言い方のほうが選びやすいかもしれません。試しに使ってもらい、迷った項目や言葉を聞き取って直していきます。

自分たちで一緒に作った日報は、利用者さんにとっても「自分のもの」になります。書かされるものから、伝えるための道具に変わっていくのです。

日報の扱いにも配慮を

作業日報には、体調や気持ちなど、利用者さんの個人的な情報が含まれます。誰が読めるのか、どこに保管するのか、いつまで残すのかを事業所で決めておきましょう。フォームにする場合は、答えを見られる職員を必要な人に絞っておきます。

また、日報は評価のためのものではないことを、利用者さんにも伝えておくと安心です。「むずかしかった」と正直に選べる日報のほうが、支援にとってはずっと役に立ちます。

まずは1週間、試してみる

いきなり全員の日報を変える必要はありません。まずは項目を5つほど決め、希望する方に1週間だけ試してもらってください。

書く時間がどれくらい変わったか、職員が気づけたことは何か。1週間分の答えを並べて見るだけで、選んで書く形のよさと、直したほうがよい項目が見えてきます。そこから少しずつ整えていけば、日報は利用者さんにとっても職員にとっても、続けやすいものになっていきます。

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この記事を書いた人

(株)トレジャーハンティング、アイ・シー・エス通商(株)、(株)ヒミコ代表取締役。15年以上、自社のネット集客を手掛けてきた実績をもとに、ネット集客コンサルティングを行ってきた。現在、GoHighLevelを使ったGoogleマップレビュー代行を中心に活動している。

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