作業で作ったものを紹介するページ——利用者さんの仕事を外へ伝える段取り

事業所では、毎日たくさんのものが作られています。焼き菓子、布の小物、木工の品。部品の組み立てや袋詰めのように、形が目立たなくても誰かの役に立っている仕事もあります。

ところが、それが外に伝わっている事業所は多くありません。ホームページを見ても、事業所の概要と連絡先が並んでいるだけで、どんなものを作っているのかが分からない。私自身、見学に来た方から「こんなものを作っているんですね」と驚かれて、初めてそのことに気づきました。

この記事では、作業で作ったものを紹介するページを作る段取りをお伝えします。

目次

作ったものは、事業所のいちばんの説明になる

事業所の特徴を言葉で説明するのは、案外難しいものです。「一人ひとりに合わせた支援」「丁寧な作業」と書いても、読む人には違いが伝わりにくい。

その点、作ったものは具体的です。どんな品物を、どんな工程で、どのくらい丁寧に仕上げているのか。それを見れば、事業所でどんな時間が過ごされているのかが想像できます。利用を考えている方にとっては、自分がそこで何をするのかを思い描く手がかりになります。

利用者さんにとっても、自分たちの仕事が外に紹介されるのは誇らしいことです。「ホームページに載ったよ」とご家族に見せる姿を、私は何度も見てきました。

1つの品物に、1つの紹介を

ページの作り方は難しくありません。品物や仕事を1つずつ取り上げ、次のような内容で紹介します。

  • 品物や仕事の名前
  • 品物の写真
  • どんな工程で作っているか
  • 工夫しているところ、こだわっているところ
  • 手に入れる方法や、仕事の依頼の相談先

工程の説明は、「生地を量る」「型を抜く」「袋に入れて封をする」のように、作業の流れが分かる程度で十分です。それぞれの工程を、得意な利用者さんが受け持っていることが伝わると、事業所の様子まで見えてきます。

写真は、品物と手元を中心に

写真を載せるときは、品物そのものと、作業している手元を中心にします。利用者さんの顔や、誰だか分かる姿が写る写真は、本人やご家族の同意がある場合に限ります。同意の取り方については、事業所で決まりを作っておきましょう。

品物の写真は、明るい場所で、背景をすっきりさせて撮るだけで印象が変わります。高価な機材はいりません。窓際の自然な光で、白い布や紙を背景に置けば十分です。完成品だけでなく、材料が並んだところや、作りかけの様子の写真もあると、手間をかけて作られていることが伝わります。

文章は、作った人の声を入れる

紹介の文章には、作った利用者さんの声を入れると、ぐっと温かみが出ます。「形をそろえるのが難しいけれど、そろうとうれしい」「色の組み合わせを考えるのが好き」。本人の言葉を、名前を出さずに添えるだけで、品物の向こうにいる人が見えるようになります。

言葉を集めるときは、作業のあとに「この品物のどこが好き?」と聞いてみてください。書くのが苦手な方には、職員が聞き取って書き留めます。紹介に使ってよいかは、本人に確かめてから載せます。

文章を整えるときには、相談できるAIに下書きを手伝ってもらうこともできます。職員が書いた工程のメモや、聞き取った言葉をもとに、読みやすい紹介文の案を出してもらう。最後は職員が読み直し、事実と違うところや、大げさな表現がないかを確かめます。

問い合わせの入口をつける

紹介のページは、見てもらうだけで終わらせず、次の一歩につながる入口をつけておきます。品物を買いたい方、まとめて注文したい方、作業の仕事を頼みたい方。それぞれが連絡できるように、問い合わせのフォームを置いておくことができます。

フォームで問い合わせを受けたら、受け付けたことを自動でメールに返せます。そのうえで、担当の職員が内容を確かめて連絡します。品物の数に限りがある場合や、受けられる仕事に条件がある場合は、ページに先に書いておくと、やり取りが少なくて済みます。

形の見えにくい仕事も紹介する

部品の組み立てや検品、袋詰め、清掃のように、完成品として目立たない仕事もあります。こうした仕事こそ、紹介のページで伝えたいものです。

形が見えにくい仕事は、「誰のどんな役に立っているか」を中心に書きます。「この袋詰めは、地域のお店の店頭に並ぶ商品の最後の仕上げです」のように、仕事の先にいる人が見えるようにする。作業の手順を写真で順に並べたり、数を正確にそろえる工夫を紹介したりするのもよいでしょう。

依頼元の名前を載せたい場合は、必ず先方の了解を取ってからにします。了解がなければ、業種や用途を一般的な言葉で書くだけで十分に伝わります。

季節ごとに更新する

紹介のページは、1度作って終わりではありません。季節の品物が加わったとき、新しい作業を始めたとき、少しずつ更新していきます。

更新の目安を「季節ごとに1つ」と決めておくと、無理なく続けられます。更新するたびに、利用者さんと一緒に「今度は何を紹介しようか」と話す時間が生まれます。その話し合いそのものが、仕事への誇りを育てる機会になります。

まずは1つの品物から

最初から全部の品物を載せる必要はありません。まずは、事業所でいちばん長く作っている品物を1つ選び、写真と工程、作った人の声をまとめてみてください。

1つの紹介ができあがると、次に何を載せればよいかが自然と見えてきます。作ったものが外に伝わるページは、利用者さんの仕事と、事業所の毎日を、言葉以上に伝えてくれる窓になります。

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この記事を書いた人

(株)トレジャーハンティング、アイ・シー・エス通商(株)、(株)ヒミコ代表取締役。15年以上、自社のネット集客を手掛けてきた実績をもとに、ネット集客コンサルティングを行ってきた。現在、GoHighLevelを使ったGoogleマップレビュー代行を中心に活動している。

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