実習生やボランティアを迎える前に決めておくこと——短期の受け入れの段取り

福祉の事業所には、学校からの実習生や、地域のボランティアの方が来てくださる機会があります。将来この仕事に就くかもしれない若い人や、事業所の活動に関心を持ってくださる方との出会いは、事業所にとって大切なものです。

ところが、受け入れの段取りが決まっていないと、当日の現場はばたばたしがちです。誰が案内するのか、何をしてもらうのか、どこまで利用者さんと関わってよいのか。職員がその場で判断を迫られ、利用者さんも見慣れない人の存在に落ち着かなくなります。

この記事では、短期の受け入れを気持ちよく進めるために、事前に決めておきたいことをまとめます。

目次

職員の受け入れとは、考え方が違う

以前、新しく入った職員の最初の1週間について書いたことがあります。職員の場合は、長く一緒に働くことを前提に、少しずつ仕事を覚えてもらいます。

実習生やボランティアの方は違います。関わる期間が短く、事業所の仕事をすべて覚える必要はありません。その代わり、限られた時間の中で、安全に、意味のある経験をしてもらうことが目的になります。だから、何をしてもらうかを事業所の側で絞っておくことが大切です。

受け入れ前に決めておく5つのこと

1. 案内役を1人決める

当日、誰に聞けばよいのかがはっきりしていることは、受け入れる側にとっても来る側にとっても安心につながります。その日の案内役を1人決め、困ったときはその職員に声をかけてもらうようにします。案内役が支援で手が離せない時間帯は、代わりの職員も決めておきます。

2. してもらうことと、しないことを書き出す

作業の見学、利用者さんと一緒に作業をする、行事の準備を手伝う。してもらうことを具体的に書き出します。同時に、しないことも書いておきます。たとえば、利用者さんの服薬や身体に関わる介助、記録への記入、利用者さんの写真の撮影などです。しないことを先に伝えておくと、来てくださった方も迷わずに済みます。

3. 利用者さんへの伝え方を決める

見慣れない人が来ることを、利用者さんに前もって伝えておくと、当日の戸惑いが減ります。朝の会で紹介する、前日に予定として伝えておく。伝え方は事業所や利用者さんの状況によって変わりますが、何も知らされないまま知らない人が来る、という状態は避けたいところです。

4. 守ってほしいことを紙1枚にまとめる

個人の情報の扱い、写真や動画の撮影についての約束、事業所の外で利用者さんの話をしないこと。守ってほしいことは、口で伝えるだけでなく、紙1枚にまとめて渡します。実習の場合は、学校との間で取り決めがあることも多いので、その内容と合わせて確認しておきます。

5. 終わったあとの振り返りの時間を取る

最後に少しだけ時間を取って、感想や気づいたことを聞きます。外から来た人の目には、事業所の職員が慣れすぎて見えなくなっているものが映ることがあります。受け入れる側にとっても、学びの時間になります。

申込と連絡は、仕組みにしておく

ボランティアの希望や実習の依頼は、電話やメール、知り合いからの紹介など、さまざまな形で届きます。そのたびに担当者が個別にやり取りしていると、日程の調整だけで手間がかかります。

事業所のホームページに受け入れの申込フォームを用意しておけば、希望の日程や関心のある活動を、決まった形で受け取れます。申込があったら、受付の確認メールを自動で送ることもできます。当日の持ち物や集合時間の案内も、前日にメールやSMSで届けられます。

申込の段階で聞く内容は、名前と連絡先、希望の日程、どんな活動に関わりたいかといった最小限にしておきます。細かい事情は、事前の顔合わせや電話で職員が直接聞くほうが安心です。

案内の文面は、AIに下書きを手伝ってもらう

受け入れのたびに作る案内文や、守ってほしいことをまとめた紙は、1度型を作れば何度でも使えます。最初の下書きは、相談できるAIに手伝ってもらうと楽になります。

「実習生向けに、事業所で守ってほしいことを、やさしい言葉でまとめて」と頼めば、たたき台を作ってくれます。それを職員が読み、事業所の実情に合わせて直す。これだけで、ゼロから書くよりずっと早く形になります。ただし、利用者さんの名前や具体的な支援の内容は、AIに渡さないようにしています。

利用者さんの気持ちを真ん中に置く

受け入れの段取りを考えるとき、忘れてはいけないのは、事業所は利用者さんが過ごす場所だということです。外から人が来ることを楽しみにする方もいれば、落ち着かなくなる方もいます。

受け入れる人数を絞る、関わる時間帯を選ぶ、利用者さんが静かに過ごせる場所を確保しておく。受け入れる側の都合だけでなく、利用者さんがいつも通り過ごせるかどうかを基準に考えると、段取りの判断に迷いが減ります。

次の受け入れの前に、紙を1枚作る

段取りと言っても、大きな仕組みを最初から作る必要はありません。まずは、次に受け入れる予定の実習生やボランティアの方に向けて、してもらうこと、しないこと、守ってほしいことを紙1枚にまとめてみてください。

その1枚があるだけで、案内役の職員は落ち着いて迎えられますし、来てくださった方も安心して過ごせます。受け入れが終わったら、その紙を見直して次に生かす。その繰り返しが、事業所の受け入れの型になっていきます。

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この記事を書いた人

(株)トレジャーハンティング、アイ・シー・エス通商(株)、(株)ヒミコ代表取締役。15年以上、自社のネット集客を手掛けてきた実績をもとに、ネット集客コンサルティングを行ってきた。現在、GoHighLevelを使ったGoogleマップレビュー代行を中心に活動している。

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