福祉の事業所を運営していると、同じ悩みを抱えているのは、たいてい近くの同業の事業所です。制度の変わり目の対応、職員の採用、送迎の段取り、書類の整え方。どこも同じところでつまずいています。
それなのに、同業どうしが気軽に相談し合える場は、意外と少ないものです。顔を合わせるのは研修や会議の場くらいで、その後の連絡先を交換しないまま終わることもよくあります。
私は、同業の事業所どうしがつながる入口を、少し意識して作っておくことに価値があると考えています。
同業は、競合である前に仲間
利用者さんを取り合う相手だと考えると、同業の事業所には身構えてしまいます。けれど実際には、事業所ごとに得意な支援も、受け入れられる方の状況も違います。うちでは受け入れが難しい方を、あの事業所なら受け止められるかもしれない。そういう紹介ができる関係は、利用者さんにとっても事業所にとっても助けになります。
情報を分け合える関係は、困ったときにこそ効いてきます。だからこそ、困る前に入口を作っておきたいのです。
まず、連絡を入れる
つながりの最初の1歩は、連絡を入れることです。ただ、たくさんの事業所に職員が1件ずつ電話をかけるのは現実的ではありません。
いまはAIの電話で、同業の事業所に順番に連絡を入れることができます。用件を伝え、相手に関心があるかどうかを伺い、希望する方には続きの案内を送る。ここまでを任せられます。
このときも、話し方は人が決めます。売り込みの電話だと思われた時点で、会話は終わってしまいます。最初に伝えるのは、「同じ地域で事業所を運営している者どうし、情報を分け合える場を作りたい」という目的です。何かを買ってほしいという話ではないことを、はじめにはっきり伝えます。
希望した方には、SMSやメールで案内を送る
電話で「詳しく知りたい」と言ってくださった事業所には、SMSやメールで案内を送れます。電話の最中に長い説明をしても、相手は覚えていられません。文字で送っておけば、あとで落ち着いて読んでもらえます。
案内には、参加の入口となるページのURLを載せます。ページから登録してもらえば、その後の連絡もそこから届けられます。
入口のページには、何を置くか
つながりの入口となるページには、次のようなものを置くとよいと思います。
1つめは、この場の目的です。情報交換のため、紹介し合うため、困りごとを相談するため。何のための場なのかが最初にわかるようにします。
2つめは、参加した事業所の紹介です。事業所の種類、受け入れている方の状況、得意な支援。互いに何ができるかが見えると、紹介の話が生まれやすくなります。
3つめは、連絡の取り方です。誰に、どうやって連絡すればよいのか。ここがあいまいだと、せっかくの入口が使われません。
事業所ごとの紹介ページを、参加した事業所の側で持てるようにしておくと、それ自体が各事業所の役に立ちます。ホームページを持っていない小さな事業所にとっては、ここが最初の情報発信の場になることもあります。
続く関係にするために
入口を作っただけでは、つながりは続きません。定期的に、ちょっとした情報を届けることが大切です。制度の変更の要点、研修の案内、事業所どうしで役立った工夫。月に1度程度のお知らせでも、名前を思い出してもらうきっかけになります。
そして、たまには顔を合わせる機会を作ります。オンラインでも構いません。文字のやり取りだけの関係より、1度でも声を交わした関係のほうが、困ったときに連絡しやすくなります。
声をかける側の心構え
つながりの入口を作るとき、声をかける側が気をつけたいことがあります。それは、相手の事業所の忙しさを想像しておくことです。
こちらが連絡を入れる時間帯は、相手にとっても送迎や支援で手が離せない時間かもしれません。電話は朝夕の慌ただしい時間を避け、相手が受け取りやすい時間を選びます。案内の文面も、読むのに時間がかからない長さにまとめます。
そして、参加を無理に勧めないことです。今は余裕がないという事業所もあります。「またいつでも声をかけてください」と伝えて、入口だけは開けておく。関係づくりは、相手のタイミングに合わせるくらいでちょうどよいと思います。
つながりの場を運営する側が、はじめから全部を背負う必要もありません。参加した事業所の中から、手伝ってくれる方が少しずつ現れます。小さく始めて、関わる人が増えるのを待つ。同業どうしの場は、そうやって育てていくものだと考えています。
利用者さんの情報は、この場で扱わない
同業どうしで紹介の話をするときに気をつけたいのが、利用者さんの情報の扱いです。つながりの場で共有するのは、事業所の情報と、一般的な困りごとまでにします。個別の利用者さんに関わる話は、ご本人やご家族の同意を得たうえで、担当者どうしが直接やり取りする形にしておくと安心です。
1件の連絡から始める
同業のつながりは、大きな組織を作らなくても始められます。まずは近くの事業所に1件、連絡を入れてみてください。同じ悩みを持つ相手が見つかるだけで、管理者の仕事は少し軽くなります。
当てはまる人だけへ
同じような詰まり方をしている、という方に、続きをお届けする場所をご用意しています。うまくいったことだけでなく、つまずいたことも含めて書いています。
👉 無料メール講座「AI社長のお困りごと相談」(全7回・無料)はこちら:
https://api.leadconnectorhq.com/widget/form/t564qhnuzISZeGUW76aJ
提供元: 株式会社トレジャーハンティング
コメント