マイソクの下書きは、元資料から8割まで作り、残りを人が仕上げる

物件の資料、いわゆるマイソクを1件つくるのに、謄本や図面を見ながら1時間ほどかかる。そんな話を、少人数の不動産会社で聞きました。しかも、その作業ができる人が社内に1人しかいなければ、その人が外出している日は資料が出せません。

私たちは、物件1件の情報からマイソクの下書きをつくる試作を組みました。目標は「全部をAIにやらせる」ことではありません。8割までを下書きにして、残りの手直しを人が10分から15分で仕上げる形です。この記事では、その分け方をお伝えします。

目次

8割とは、どこまでのことか

マイソクの項目には、機械的に写せるものと、人の判断が要るものが混ざっています。

  • 写せるもの:所在地、交通、間取り、面積、築年月、構造など、謄本や図面にそのまま書いてある項目
  • 組み立てるもの:地図、徒歩の分数、周辺環境の一言、設備の並べ方
  • 判断が要るもの:告知事項の書き方、売主の事情に触れる表現、広告として出してよい範囲

最初の2つはAIの得意な仕事です。3つ目は人が決めます。8割とはこの線引きの手前までを指します。

空欄は、埋めずに「確認の一覧」へ回す

下書きで最も怖いのは、元資料に無い項目を、AIがそれらしく埋めてしまうことです。試作では取り出せなかった項目を空欄のまま残し、別の紙に「確認が必要な項目」として一覧にする作りにしました。

たとえば、元資料のどこにも駐車場の記載が無ければ、マイソクの駐車場欄は空欄で出ます。同時に、確認の一覧に「駐車場の有無と台数」が1行並びます。担当者はこの一覧だけを見て、電話や現地で確かめていけばよいのです。

空欄が出るのは、下書きの失敗ではありません。次に確かめることの一覧が、先に出てくるということです。

元資料は、物件ごとのフォルダに置く

使い方は単純です。謄本、公図、建物図面、管理資料、写真を物件ごとのフォルダに入れます。そこへ、物件の種別と取引態様、公開してよい所在地の範囲を書いた1枚の紙を添えます。この1枚があれば、AIは何を載せ、何を載せないかを迷いません。

物件の資料づくりの試しのページでは、架空の物件20項目を入れて、マイソクと文章の下書きが出る様子を見られます。実在の住所や氏名、電話番号は入れないでください。

地図と徒歩の分数は、決まりに沿って機械に計算させる

交通の欄の徒歩の分数は、道のり80メートルを1分として、端数を切り上げる計算が一般的です。人が手で数えると、担当者によって数字がずれます。計算を機械に任せれば、どの物件も同じ物差しで出ます。

地図は、出典の表記が要るものがあります。使う地図の出典を決めて、出典の表記ごと貼る形にしておけば、あとから載せ方を直す手間が減ります。

手直しの10分で見る3か所

下書きを受け取った担当者が、手直しの10分で見る場所は3つに絞れます。

  • 取引態様と、会社の枠(会社名、免許番号、連絡先)が正しいか
  • 確認の一覧に残った項目を、すべて確かめたか
  • 告知事項の欄が、空欄でなく「なし」または内容になっているか

この3つを見終われば、あとは書式の見た目を整えるだけです。

自社の書式に合わせるのは、見本を見てから

マイソクの書式は、会社ごとに違います。載せる項目も、載せない項目も、長年の運用で決まっています。試作は、4つの書式の型で組みましたが、実際の会社の書式にそのまま合うとは限りません。

そこで、御社でいま使っている完成見本を、所有者の名前を伏せた状態で1枚いただき、載せている項目と載せない項目を見ます。見本を見れば、どの項目が必須でどれが任意かが一度に決まります。試作の直しは、その後の仕事です。

写真と間取り図は、描き直さない

間取り図は、元の図面から切り出して使います。描き直すと、寸法や表記が変わってしまうからです。外注が必要な図は、その旨を確認の一覧に出します。写真は、外観を1枚、室内を2枚以上、水回りを1枚という具合に、枚数に応じて枠を変えます。写真が足りなければ、足りないと一覧に出します。

写真の選び方や並べ方にも、会社ごとの好みがあります。そこは、完成見本と並べて見たときに、差の出た所だけを直していきます。

手直しを10分に収める進め方

試作の進め方は、繰り返しです。マンション1件と戸建て1件を、手順書に従って作らせ、担当者の完成見本と並べて見ます。差が出た項目だけを直し、もう一度作らせます。担当者の手直しが10分から15分に収まるまで、これを繰り返します。最初から完璧を目指さず、差の出た所だけを直していく進め方です。

試作の実測

マイソク用に整理した項目表では、マンションと戸建てを合わせて、共通33項目、マンション34項目、戸建て25項目の計92項目を洗い出しました。そのうち、無いとマイソクにならない項目は40項目、取れたら載せる項目が35項目、任意の項目が17項目です。項目を重要度で分けておくと、空欄が出たときに、どれを先に確かめるかが決まります。この表の詳細は、項目の分け方の記事で書きました。

次に読む

マイソクの作成とあわせて、問い合わせから契約までの流れを見直したい方は、10本の地図から読みたい記事を選んでください。

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この記事を書いた人

(株)トレジャーハンティング、アイ・シー・エス通商(株)、(株)ヒミコ代表取締役。15年以上、自社のネット集客を手掛けてきた実績をもとに、ネット集客コンサルティングを行ってきた。現在、GoHighLevelを使ったGoogleマップレビュー代行を中心に活動している。

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