AIエージェントが便利らしいとは聞いている。アプリも入れてみた。けれど、開いたまま何も頼めずに閉じてしまう。そんな社長は少なくないと思います。僕も、入れる前の段階で長く止まっていました。最初の1つが頼めないのは、能力の問題ではありません。決めておくことと、頼み方の型を知らないだけです。この記事では、僕が遠回りした経緯と、アプリを入れてから最初の下書きを1つ作るまでの30分の手順を書きます。
「Macじゃないから」で止まっていた
2025年7月5日の録音で、僕は「Claude Codeが一番やりやすいらしい。でもMacじゃないから使っていない」と話しています。道具が自分のパソコンで動くかどうかを確かめないまま、僕は長いあいだ遠回りをしていました。
9日後、Claude CodeがWindowsでもそのまま使えるようになったと知り、ようやく段取りを考え始めました。そこから1年。2026年7月には、古いパソコンに指示書の場所を貼るだけで、AIが最後まで仕事をする状態ができていました。
2026年10月2日には、ある社長の隣に座り、新しいパソコンを会社のAI専用機にする1日がかりの時間を過ごしました。その日、社長が自分の手で頼んだ仕事のファイルがデスクトップにできたのを見て、これが教えるということだと思いました。僕が操作して見せるのではなく、社長が自分で頼んで、自分の目で確かめる。この記事の手順は、その日の型をそのまま書いたものです。
入れる前に決めておく3つ
アプリを入れる前に、次の3つを決めておくと途中で迷いません。
- どのAIエージェントにするか: もうClaudeを使っていればClaude Code、ChatGPTを使っていればCodex。両方を同じ日に入れないこと
- どのアカウントで使うか: 仕事用のメールアドレスで。家族と共用のアカウントだと、仕事の会話が家族の側からも見えてしまいます
- AIに使わせるフォルダ: 仕事用のフォルダを1つ作り、ここを保管庫にします。OneDriveの中だと同期とぶつかることがあるので、外に作るのが無難です
もう1つ、入れたら最初にやってほしいのが、会話を学習に使わせない設定です。Claudeなら設定のプライバシーの項目、ChatGPTなら設定のデータコントロールの項目に、モデルの改善に協力するかどうかの切り替えがあります。これをオフにします。画面の言葉はアプリの更新で変わります。見つからなければ、そのAIに「会話を学習に使わせない設定はどこ?」と聞けば教えてくれます。
最初の1つを頼む30分の手順
ここからが本番です。所要時間は30分ほどです。
1. アプリを入れてログインする
ブラウザで公式サイトを開き、アプリをダウンロードします。ダウンロードした物を開き、案内どおりに入れます。ログインは、Web版と同じアカウントで。パスワードは自分の手で入れてください。ログイン後の画面が出たら完了です。
2. 学習に使わせない設定をする
前の節で書いた設定を、ここで済ませます。オフになっているのを自分の目で確かめてから次へ進みます。
3. 保管庫のフォルダを開く
作っておいたフォルダを、アプリから開きます。「このフォルダを信頼しますか」と出たら、自分の保管庫なら信頼して構いません。
4. 練習を1つ頼む
いきなり本番ではなく、失敗しても困らない練習から入ります。「このフォルダに『今日のメモ.md』を作って、今日の日付と、今週やりたいことを3行で書いて」と頼んでみてください。途中で「許可しますか?」と出たら、何を許すのかを読んでから押します。ファイルができたら練習は終わりです。
5. 本番の仕事を型で頼む
本番は、自分の仕事の中でいちばんくり返しの多いものを1つ選びます。頼み方は、次の3行の型で十分です。
“`(フォルダの名前)の中に、(ファイルの名前)を作って。中身は(何を・何行で)。分からない所は勝手に作らずに、先に質問して。“`
大事なのは最後の1行です。これがあると、AIは分からない所を想像で埋めずに、先に聞いてきます。
6. できたファイルを自分で開いて読む
最後に、エクスプローラー(フォルダの画面)で、できたファイルを自分で開いて読みます。完璧でなくて構いません。自分の保管庫に下書きが1つあれば、この手順は成功です。
つまずきやすい所と直し方
手順の途中で止まりやすい所を、よくある原因と一緒に並べておきます。
- アプリを開いたのにブラウザと同じ画面に見える: ブラウザ版を開いている可能性があります。タスクバーかスタートメニューから、アプリを開き直します
- パスワードが分からない: ログイン画面の「パスワードを忘れた場合」から自分で再設定します。控えは紙かパスワード帳に残します
- 「許可しますか?」で手が止まる: 画面の文を読みます。「削除」「上書き」の字があれば、押す前に一度止まって中身を確かめます
- 頼んでいない物まで作り込まれる: 相談の段階なのに、作ってよいと受け取られています。最初に「まだアイデアの段階なので、勝手に作らないで」と書きます
- 前に使っていたWeb版の会話が見えない: アカウントを新しくすると、前の会話は戻りません。要る物はメモにして保管庫へ入れておきます
今から始める社長へ
アプリを入れたのに使えないのは、才能の問題ではありません。どのフォルダで、どんな形で頼むかが決まっていないだけです。僕も、動くかどうかを確かめないまま遠回りをしていました。確かめてみれば、最初の一歩は思っていたより小さなものでした。
まずは練習のメモを1つ作るところまで。次に、自分の仕事の下書きを1つ。自分で頼んで、自分の目で確かめる。この順番さえ守れば、AIエージェントは「入れただけの道具」から「仕事を任せられる相手」に変わり始めます。
この記事の段取りを、自分の会社で回せるようにしたい方へ
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