AIに頼んでも仕事が進まない社長へ——相談と仕事の頼み分けを10分で決める方法

AIに質問すると、それらしい答えは返ってくる。けれど、自分が手を動かす量は変わらない。そう感じている社長は多いと思います。僕もそうでした。答えをコピーしてWordに貼り、ファイルを毎回アップロードし直す。便利なはずなのに、作業はほとんど自分のままでした。この記事では、AIを「相談相手」と「部下」に分けて考えるようになった経緯と、自分の仕事をどちらに頼むか10分で決める手順を書きます。

目次

「明日までにやります」と言ったAI

2025年の5〜6月ごろ、僕はChatGPTに、ゴーハイレベル(僕が使っている顧客管理と集客の道具)の設定を頼んでいました。ChatGPTは「設定をやります、明日までに」と答えました。僕は待ちました。1日、2日、3日。何も進みません。問い詰めると、返ってきたのは「その機能は実装されていない」という答えでした。

今なら理由が分かります。チャットのAIは、僕のパソコンにも、僕の道具にも、手が届いていなかったのです。話し相手としては優秀でも、手を動かす場所を持っていない。それなのに「やります」と言ってしまう。問題はAIの賢さではなく、頼む相手を間違えていたことでした。

相談相手と部下を分けて考えるまで

転機は少しずつ来ました。2025年7月、AIをほかの道具につなぐ口(MCPと呼ばれるしくみ)で、いろいろなAIや道具を1つにまとめられると知って驚きました。そこから、AIを部下のように数え始めました。

実は2025年10月の時点でも、僕はまだ「Claudeはまだ触ってない」と話しています。そこから1年たたずに、AIエージェントを入れた古いパソコンが、一晩で103件の仕事を回すようになりました。特別な才能があったわけではありません。いちばん大きかったのは、「相談相手」と「部下」を分けて考えられるようになったことです。

チャットとAIエージェントはどこが違うか

違いを短くまとめると、次のようになります。

  • たとえ: チャット(Web版のClaudeやChatGPTなど)は相談相手。AIエージェント(Claude CodeやCodexなど)は、頼んだ仕事を最後までやる部下
  • 開き方: チャットはChromeなどのブラウザで開く。AIエージェントはパソコンに入れたアプリで開く
  • ファイル: チャットは毎回アップロードが要る。AIエージェントはパソコンの中のフォルダを直接読み書きする
  • 結果: チャットは画面に文章が出て、それをコピーして使う。AIエージェントは、WordやExcel、PDFなどのファイルができている
  • 向く仕事: チャットは考えの整理や文章の案出し。AIエージェントは資料を作る・まとめる・直す・くり返す仕事

覚える言葉は3つだけです。1つ目はAIエージェント。頼まれた仕事を、自分で段取りして手を動かすAIのことです。2つ目はフォルダ。AIエージェントが読み書きする場所で、どこを使わせるかはあなたが決めます。3つ目は「許可しますか?」という確認。大事な操作の前にAIエージェントが聞いてきて、押すまで先へ進みません。勝手にファイルを消させないためのしくみです。

どのAIエージェントを入れるかは、今使っている道具で考えると迷いません。もうClaudeを使っているならClaude Code、ChatGPTを使っているならCodex。どちらも使っていなければ、まず1本だけにして、2本目は慣れてからにします。

自分の仕事を2つに分ける手順

ここからは、自分の会社で試すための手順です。所要時間は10分ほどです。

1. 先週やった仕事を5つ書き出す

紙かメモに、先週やった仕事を5つ書きます。議事録、社員への連絡、Instagram、請求書の確認など、思いつく順で構いません。書き出せないときは、先週のカレンダーを開いて、予定の前後でやった作業を拾うと出てきます。

2. 1つずつ、2つの質問に答える

書いた仕事ごとに、次の2つを聞きます。「パソコンの中のファイルを読む、または作る仕事か」。はいなら、AIエージェント向きです。「考えを整理したいだけか」。はいなら、チャットで足ります。

3. エージェント向きに○、いちばんくり返す1つに◎

AIエージェント向きの仕事に○をつけます。その中で、いちばんくり返しの多い1つに◎をつけます。◎が1つ決まったら完了です。これが、AIエージェントに最初に頼む仕事になります。

4. 頼み方を「仕事の形」にしてみる

「うちの会社の宣伝文を考えて」は相談です。「この3つの取り組みのうち、地域の人の役に立つ話を1つ選んで、根拠として足りない物を並べて」は仕事の頼み方です。渡す物と、返してほしい物がはっきりしているからです。自分の会社の取り組みで一度この形で頼み、返ってきた一覧を保存できたら、この手順は終わりです。

分け方でつまずいたら

全部が「チャットで足りる」になった場合は、その答えを最後にどこへ貼っているかを書き足してください。WordやExcelに貼っているなら、それはファイルを作る仕事で、AIエージェント向きです。

反対に、全部が「エージェント向き」になった場合は、最初の◎を失敗しても困らない仕事にします。お客様に出す物は、慣れてからで十分です。

今から始める社長へ

AIに頼んでも手が減らないのは、社長の使い方が下手だからではありません。相談相手に、部下の仕事を頼んでいるだけかもしれません。僕も、手の届かないAIに3日待たされてから、ようやくその違いに気づきました。

まずは先週の仕事を5つ書いて、◎を1つ決めるところまで。相談はチャットで、くり返すファイルの仕事はAIエージェントで。この線を引くだけで、AIとの付き合い方が変わり始めます。

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中山博之(ニタ)/ニタ@AIと会社を経営する55歳
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この記事を書いた人

(株)トレジャーハンティング、アイ・シー・エス通商(株)、(株)ヒミコ代表取締役。15年以上、自社のネット集客を手掛けてきた実績をもとに、ネット集客コンサルティングを行ってきた。現在、GoHighLevelを使ったGoogleマップレビュー代行を中心に活動している。

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