紙に書かれた数字を見て、Excelに打ち込んで、計算を確かめる。やることは分かっているのに、手間が重くて後回しになる仕事はありませんか。僕にもありました。手書きの売上明細の処理を、ずっと溜め込んでいたのです。2026年5月、その明細の写真と手元のExcelの雛形をAIに渡したら、3か月分の明細が出来上がりました。この記事では、そのときの体験と、真似できる手順、そしてそのあとに起きた思わぬつまずきを書きます。
溜め込んでいた手書きの明細
あるお客様から預かっていた、手書きの売上明細がありました。処理の流れは単純です。紙の数字を読み、Excelに打ち込み、計算が合っているかを確かめる。手順は分かっています。それでも、一枚ずつ数字を拾って打ち込む手間を思うと、手が伸びません。気がつけば、紙の山ができていました。
こういう仕事は、どの会社にも一つはあると思います。難しいわけではない。けれど、手間が重い。だから今日でなくてもいいか、と先送りになる。僕の場合も、まさにそうでした。
写真と雛形をAIに渡した日
やったことは二つです。一つは、手書き明細の画像をAIに読ませること。もう一つは、手元のExcelの雛形をAIに渡して、中に入っている計算式を解読させることです。
雛形の式が分かれば、AIは同じ形で明細を作れます。実際に、手書き画像の読み取りも、計算も、行の追加も、AIが自動でやってくれました。3か月分の明細が、そのまま出来上がったのです。溜め込んでいた紙の山が片付いていくのを見て、肩の荷が下りました。
ここで大事だったのは、白紙から表を作らせなかったことだと思います。いつも使っている雛形を渡したので、出来上がった明細は見慣れた形のままでした。新しい表の見方を覚え直す必要がない。これは、手で打ち込んでいた頃の続きとして使えるということです。
真似できる手順
ここからは、同じことを自分の会社で試すための手順です。AIの画面は日々変わるので、操作の細かい場所ではなく、進め方を中心に書きます。
1. 紙を1枚ずつ写真に撮る
スマートフォンで、明細を1枚ずつ撮ります。影が入らないよう明るい場所で、紙の四隅が収まるように撮ると読み取りやすくなります。最初から全部を撮る必要はありません。まずは1か月分の、さらに1枚目だけで十分です。
2. いつも使っているExcelの雛形を用意する
手で打ち込むときに使っているExcelのファイルを、そのまま用意します。入力済みの行が残っている場合は、写しを作ってから、中の数字を消した雛形にしておくと安心です。見出しの行と計算式の入った列は、消さずに残します。
3. 雛形を渡して、計算式を説明してもらう
AIのチャットに雛形を渡し、「このファイルの計算式が何をしているか説明して」と頼みます。どの列がどの列から計算されているかを、言葉で返してもらうのが目的です。説明を読んで、自分の理解と合っているかを確かめます。ここが合っていれば、作られる明細も同じ形になります。
4. 写真を貼って、1か月分だけ作ってもらう
次に写真を貼り、「この手書き明細を、さっきの雛形の形でExcelにして」と頼みます。いきなり全部を頼まず、まず1か月分にします。出来上がったら、最初の数行を元の紙と見比べてください。数字の読み違いがないか、合計が紙と合うかを見ます。合っていると確かめられれば、残りを任せる安心感がぐっと増します。
5. 残りの月を同じ聞き方で続ける
1か月分が合ったら、残りの月の写真を同じように渡します。うまくいった頼み方は、そのままメモに残しておきます。次の月が来たとき、同じ文を貼るだけで同じ形の明細が作れます。
気をつけること
どのAIでやったかを一行残す
つまずいたのは、明細が出来上がったあとです。当時の僕は、複数のAIを並行して使っていました。あれはこっち、これはあっち、と頼んでいるうちに、明細をどのAIで作ったのかが分からなくなってしまったのです。「どれでやったかが思い出せなくなっちゃう」振り返ろうとしたときに、その一言が口から出ました。
同じ仕事をもう一度頼みたいとき、どこに頼んだかが分からなければ、また一から説明し直すことになります。最先端の道具を使っていても、管理の部分は人の側に残ります。防ぎ方は地味です。どのAIに、何を、いつ頼んだかを一行でいいので書いておく。手帳でも、メモのアプリでも構いません。
預かった紙の扱いを決めておく
お客様から預かった明細には、取引の中身が書かれています。AIに見せてよい範囲を、先に社内で決めておくと迷いません。名前などが写る部分は、範囲を選んで撮るか、画像の編集で隠してから渡すと安心です。
今から始める社長へ
溜め込んだ紙の仕事があるなら、まず1枚だけ写真を撮って、AIに見せてみてください。読み取れるかどうかは、試せばすぐ分かります。既存のExcelがあるなら、その雛形ごと渡して式を読ませると、形を崩さずに作ってもらえます。
そして、AIを何本も使い始めたら、頼み先をメモに残すこと。最先端の道具を使いこなすことと、泥臭くメモを残すことは、矛盾しません。むしろ両方そろって、AIは仕事の道具になると感じています。
この記事の段取りを、自分の会社で回せるようにしたい方へ
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