新しい職員が入ったとき、最初の数日は、先輩が横について教えます。ただ、何をどの順番で教えるかは、先輩によって違います。教えたつもりで抜けていた、ということも起こります。
私たちの事業所は、静岡県東部で就労継続支援B型を運営し、送迎も行っています。この記事では、最初の1か月の研修計画を、AIと一緒に表にする方法をお伝えします。
計画がないと、何が起きるか
計画がないまま始めると、毎日の仕事に追われて、教える順番が場当たりになります。送迎の運転は教えたが、記録の書き方は後回しになった、といったことです。新しい職員は、何が分からないのかも分からない状態で、不安を抱えます。
計画表があれば、新しい職員も、先輩も、今週何をするかが見えます。見えるだけで、双方の気持ちが落ち着きます。
まず、教えることを書き出す
計画の材料は、事業所の仕事そのものです。先輩の職員が集まって、新しい職員に覚えてもらいたいことを、思いつくまま書き出します。
- 事業所の1日の流れ
- 利用者さんへの声かけの考え方
- 作業の支援の基本
- 送迎の経路と乗り降りの介助
- 記録の書き方
- ご家族や関係機関との連絡の決まり
- 緊急のときの連絡先と動き方
書き出した項目は、順番がばらばらで構いません。この束を、AIに渡します。
AIに、週ごとの並べ替えを頼む
書き出した項目を渡して、次のように頼みます。
- 新しい職員が、最初の1か月で身につける順番に並べてください
- 第1週から第4週に分けてください
- 各週に、先輩が教えること、新しい職員が見て学ぶこと、1人でやってみることを分けてください
出てきた案は、あくまで下書きです。事業所の事情を知っているのは、先輩の職員です。順番を入れ替えたり、足りない項目を足したりして、実際の計画にします。
第1週は、見て覚えることを中心にする
最初の週は、1人でやることを少なくします。事業所の1日の流れを一緒に回り、先輩の動きを見て、分からないことをメモします。
このメモを、毎日の終わりに5分、先輩と一緒に見ます。質問を溜めないことが大切です。AIに「今日のメモから、まだ聞けていなさそうなことを挙げてください」と頼むと、聞き漏らしに気づくきっかけになります。
安全にかかわることは、早めに、人が教える
送迎の運転や、乗り降りの介助、緊急のときの動き方は、利用者さんの安全にかかわります。この部分は、AIの下書きに頼らず、先輩が実際の場所で、実際の車で教えます。
教えたあとは、教えた日付と、できるようになったかどうかを、表に残します。「できた」の判断は、教えた先輩が行います。
週の終わりに、短い振り返りをする
毎週の終わりに、新しい職員と先輩で、15分ほど振り返ります。聞くことは、次の3つです。
- 今週、分かるようになったこと
- まだ不安なこと
- 来週、先に教えてほしいこと
振り返りのメモをAIに渡して、来週の計画の修正案を作ってもらうと、計画が現場に合っていきます。振り返りの型は、毎月の見直し会議の記事にも通じます。
先輩の負担にも気を配る
教える側の先輩にも、負担がかかります。計画表があれば、先輩どうしで役割を分けやすくなります。「送迎は○○さん、記録は△△さん」と決めておけば、1人に集中しません。
新しい職員の不安を、言葉にしてもらう
計画表には、仕事の項目だけでなく、新しい職員の気持ちの欄も作っておきます。「今週、不安だったこと」を、週の終わりに1行だけ書いてもらいます。書くのが難しければ、口頭で聞いて、先輩が書き留めます。
不安は、言葉にすることで小さくなります。AIに「この1行の不安に対して、先輩が声をかけるとしたら、どんな言い方がありますか」と聞くと、声かけの案が見つかります。案を選ぶのは先輩で、新しい職員の様子を一番よく見ているのも先輩です。
計画表は、新しい職員にも見せる
計画表を、先輩だけで持たず、新しい職員にも渡します。今週何を学ぶのか、来週は何をするのか。見通しが分かれば、安心して仕事に向き合えます。計画表の文言は、新しい職員が読んで分かるやさしい言葉にします。専門用語が多い部分は、AIに「新しく入った人にも分かる言葉に直してください」と頼むと、読みやすくなります。
1か月のあとも、声をかけ続ける
1か月の計画が終わっても、新しい職員の学びは続きます。3か月、半年と、節目で先輩が声をかけ、「困っていることはないか」を聞きます。計画表の最後の行に、次の節目の日付を書いておくと、声かけを忘れません。
1か月のあと
1か月が終わったら、計画表を見返します。うまくいった点と、足りなかった点を、AIにまとめてもらい、次に入る職員のための計画表に反映します。研修の計画表は、使うたびに現場に合ったものに育ちます。
まずは、今いる職員が最初に困ったことを、5つ書き出してみてください。それが、いちばん現場に合った研修計画の、出発点になります。
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