AI電話の記録は、残すほど役に立つようで、実は残すほど責任が増えます。聞いた情報は、目的に必要な分だけにします。ここでは、小さな会社が決めておきたい線を、一般論として書きます。個別の確認は専門家へお願いします。
聞く項目を絞る
予約の電話なら、必要なのは、お名前、希望日時、連絡先くらいです。「ご家族の構成は」「お勤め先は」のような質問は、用件に要らないなら入れません。台本の質問の数を、まず減らします。
質問の1つ1つに、「これを聞かないと、何が困るか」を書き添えてみてください。答えが出ない質問は、削る候補です。
何に使うかを伝える
聞いた情報を何に使うかは、相手に伝えるのが基本です。「いただいたお電話番号は、折り返しのご連絡にだけ使います」のように、短く言えます。台本の最初か、連絡先を聞く直前に入れます。
残さないほうがよい情報
通話の中で、相手が自分から話してしまうことがあります。病気、家計の事情、家族の問題などです。こうした内容は、記録に全文を残さず、「人に回す」とだけ書く運用が安全です。AIの要約に任せきりにせず、記録の書式で、残す欄を決めておきます。
- 残す欄:結果、希望日時、連絡先、引き継ぎの質問の中身
- 残さない欄:事情の詳細、第三者の個人情報
要約を使うときの注意
AIが通話を要約してくれる機能は便利ですが、要約に、相手が口にした個人の事情がそのまま入ってしまうことがあります。要約の書式に、残す欄と残さない欄をあらかじめ指定し、出てきた要約を、最初の1〜2週間は人が読んで確かめます。出来上がりが安定してから、読む回数を減らします。
自動で残る物を、試験で一覧にする
私たちの試験では、通話のあとに要約を自動で記録へ付ける設定が入っている環境があり、2026年10月3日の試験通話3本のたびに、要約のメモが試験をした担当者の連絡先へ自動で付きました。翌朝の福祉事業所あてのデモでは、要約を付ける設定と通知を切り、架空の12件の連絡先には電話番号もメールも入れずに組みました。
通話のたびに何が自動で残るのかは、使う仕組みの設定で変わります。試験の段階で一覧にしておくと、残さない欄の決めが、実際の設定と合っているかを確かめられます。
記録を見られる人を絞る
記録は、全員が見られる状態にしません。見るのは、折り返しの担当、記録を読む人、台本を直す人に限ります。閲覧の範囲を決めると、不要な持ち出しも減ります。人が辞めたときに、閲覧の許可を外す手順も、紙に1行書いておきます。
迷ったときは聞かない
台本に入れるか迷う質問は、入れないのが原則です。あとで必要になったら足せますが、集めてしまった情報は、消すまで責任がついて回ります。聞く情報を増やすのは、本当に困った場面が出てからで遅くありません。
見直す
月に1回、記録を数十件読み、使っていない項目がないかを見ます。使っていない項目は、聞くのをやめます。記録を軽くすることが、いちばんの安全策です。試しの電話の測り方はAIに電話番を任せる前に、声と応答の速さを測る話に書いています。
AI電話を、自分の会社の業務に合わせて試したい方へ
電話の受付や折り返しをAIに任せる前に、何を任せて何を人が持つかを決める。問い合わせの受け口から記録まで、小さな営業導線を自分の手で作る実務講座を開いています。オンラインで30分の無料個別相談から始められます。
運営: 株式会社トレジャーハンティング