面接で何を聞くか。多くの事業所では、面接をする人の経験や、その場の流れに任されています。そのため、同じ職場なのに、聞かれる内容が人によって違うことがあります。
私たちの事業所は、静岡県東部で就労継続支援B型を運営し、送迎も行っています。この記事では、面接の質問をAIと一緒に表にして、聞き漏らしとばらつきを減らす方法をお伝えします。
質問がばらつくと、何が困るか
面接のあとで「あの人はどうだった」と話し合うとき、聞いた内容が人によって違うと、比べようがありません。Aさんには経験を聞いたが、Bさんには聞いていない、ということが起きます。
質問を表にしておけば、誰が面接をしても、同じ項目を聞けます。比べるための材料がそろうので、話し合いも落ち着いて進みます。
聞いてよいことと、聞いてはいけないこと
面接では、聞いてはいけないことがあります。本人の能力や適性に関係のない、生まれや家族の状況、思想などについての質問です。公的な機関が、公正な採用のための案内を出していますので、表を作る前に、その資料を確かめます。
AIに質問を考えさせるときも、この線は人が引きます。AIに「こういう質問は避ける」と伝えたうえで、出てきた質問を、人が1つずつ確かめます。
仕事の中身から、聞きたいことを書き出す
質問は、仕事の中身から逆算して作ります。まず、その職場の仕事を、5つほど書き出します。たとえば次のようなものです。
- 利用者さんの作業の支援
- 送迎の運転と乗り降りの介助
- 記録の入力
- ご家族や関係機関との連絡
- 職員どうしの引き継ぎ
この5つを、AIに渡して頼みます。
- この仕事に就く人に聞いておきたいことを、仕事ごとに3つずつ挙げてください
- 経験を聞く質問と、場面を想定して考えを聞く質問に分けてください
- 公正な採用の考え方に合わない質問は、入れないでください
出てきた質問から、実際に使うものを人が選びます。選ぶ基準は、答えを聞いたときに、仕事への向き合い方が見えるかどうかです。
場面を想定した質問を、1つ入れる
経験を聞くだけでは、働いた姿が見えにくいものです。そこで、場面を想定した質問を1つ入れます。たとえば「送迎の車が遅れそうなとき、どうしますか」といった質問です。
正しい答えを求めるのではなく、考え方を聞くための質問です。「連絡を先にします」「まず安全を確かめます」といった答えに、その人の優先順位が出ます。
答えの記録にも、同じ表を使う
質問の表には、答えを書き込む欄を作ります。答えは、聞いたとおりに短く書きます。「よい」「悪い」といった感想は、別の欄に分けます。事実と感想を分ける考え方は、事実と所感の分け方の記事と同じです。
面接のあと、書き込んだメモをAIに渡して、項目ごとの要約を頼むこともできます。ただし、合否の判断はAIに任せません。判断は、面接をした人たちが、話し合って決めます。
面接の前に、応募者に伝えることも決める
面接では、聞くだけでなく、伝えることもあります。仕事の内容、勤務の時間、事業所の考え方。この部分も、AIに文章の下書きを頼めますが、書くのは決まっている事実だけです。条件にかかわる内容は、人が決めた文を使います。
面接の質問は、年に1回見直す
使ってみると、聞いても答えが似てしまう質問や、聞きにくい質問が見えてきます。年に1回、質問の表を見直して、入れ替えます。見直しのときも、AIに「この質問の意図は何か」を聞いてみると、表の整理がしやすくなります。
面接の雰囲気づくりも、準備に入れる
質問の表を作ったら、面接の場の準備も考えます。応募者は緊張しています。最初の1分で、「今日は来てくれてありがとうございます。リラックスして話してください」と伝えるだけで、答えやすい雰囲気になります。この冒頭の言葉も、表の最初の行に書いておくと、誰が担当しても忘れません。
質問を読み上げるだけの面接にならないよう、答えを聞いたあとに、「それはどうしてですか」と1つだけ掘り下げる余地を残しておきます。表は、会話を縛るためではなく、聞き漏らさないための道具です。
面接のあとに、応募者へ伝えることも決める
面接の最後に、結果をいつ、どのような方法で伝えるかを、はっきり伝えます。これを決めておかないと、応募者は待つ間、不安になります。「1週間以内にご連絡します」のように、期限を言える形にします。
結果の連絡文も、AIに下書きを頼めますが、日付と方法は人が決めた内容を渡します。送る前に人が確かめる点は、問い合わせへの返信と同じです。
個人の情報の扱い
応募者の名前や経歴は、個人の情報です。AIに渡すときは、名前や連絡先を伏せ、メモの要点だけを渡します。面接のメモを置く場所と、残す期間も、事業所で決めておきます。
まずは、次の面接の前に、質問を5つだけ表にしてみてください。同じ質問を、同じ順番で聞く。それだけで、面接のあとの話し合いが、ずっと進めやすくなります。
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