求人を出していると、応募や見学の問い合わせが届きます。忙しい日には、返信が翌日、翌々日と延びてしまうこともあります。問い合わせをくれた人にとっては、返信の早さが、その職場の第一印象になります。
私たちの事業所は、静岡県東部で就労継続支援B型を運営し、駅や市役所の前を回る送迎もしています。この記事では、問い合わせへの返信をAIの下書きで早く丁寧に返す方法を、送る前に人が確かめる部分を中心にお伝えします。
返信が遅れると、何が起きるか
求職中の人は、複数の職場に同時に問い合わせていることが多いものです。最初に丁寧な返信をくれた職場に、気持ちが傾くのは自然なことです。
返信が遅れる原因は、文面を考える時間が取れないことにあります。「どう書き出そう」「どこまで答えよう」と悩んでいるうちに、半日がたってしまいます。この「考える時間」を短くするのが、AIの下書きの役割です。
問い合わせの種類を、先に3つに分けておく
届く問い合わせは、大きく3つに分かれます。
- 応募したいという連絡
- 見学したいという連絡
- 仕事の内容や勤務の条件についての質問
種類ごとに、返信の型を1つずつ作っておきます。型があれば、AIに頼む内容も毎回ほぼ同じになり、下書きの質が安定します。
型をAIに作ってもらう
まず、事業所の決まりを箇条書きにして、AIに渡します。書くのは、公表している事実だけです。
- 事業所の種類(就労継続支援B型)
- 場所のおおまかな案内(駅からの行き方など)
- 見学ができる曜日と時間帯
- 応募の方法と、そのあとの流れ
そのうえで、次のように頼みます。
- 下の事実だけを使って、見学の問い合わせへの返信の下書きを作ってください
- 書かれていないことは、書かずに「確認してお伝えします」としてください
- 丁寧で、短めの文にしてください
「書かれていないことは書かない」の一文が大事です。AIは、渡していない情報をもっともらしく補ってしまうことがあります。見学の日時や持ち物を、勝手に書かれてしまうと、問い合わせた人を混乱させます。
届いた問い合わせごとに、下書きを作る
型ができたら、届いた問い合わせの文面をAIに渡して、その人に合わせた下書きを作ります。名前や連絡先など、個人が特定できる部分は伏せて渡します。伏せ方は、情報を入れる前の伏せ方の記事で紹介しています。
下書きができたら、伏せた部分を戻して、送る人が読みます。読むときに見るのは、次の3点です。
- 問い合わせの質問に、すべて答えているか
- 日時や場所に、間違いはないか
- 事業所の言葉づかいとして、自然か
質問への答えは、人が決める
勤務の条件や仕事の内容についての質問は、AIに答えを作らせません。条件を決めるのは、事業所の側の人です。AIに頼んでよいのは、決まっている答えを、読みやすい文にすることまでです。
分からない質問には、「確認して、あらためてお伝えします」と返して、期限を添えるのが誠実です。急いで曖昧な返事をするより、あとで正確な返事をするほうが、信頼につながります。
返信の早さに、目安を決める
返信の目安を、事業所で決めておきます。たとえば「平日は、届いた翌日の午前中までに、最初の返信を出す」といった形です。最初の返信は、完全な答えでなくても構いません。「届きました。確認して、○日までにお返事します」という受け取りの返信だけでも、相手の不安は減ります。
目安を決めたら、問い合わせを見る担当を決めます。担当が不在の日は、代わりの人を決めておきます。
送ったあとの記録を残す
返信を送ったら、日付と内容の要約を、1行で記録に残します。誰が、いつ、何を返したかが分かれば、担当が替わっても対応が続けられます。その記録も、AIに要約を頼めば、手間はごく小さくなります。
断る場合の返信も、型にしておく
応募をいただいても、今回はお迎えできないことがあります。その返信は、書く側にとって気が重く、後回しになりがちです。断る場合の返信も、型を作っておきます。感謝の言葉、結果をお伝えする一文、これからの応援の言葉の3つで構成すると、短くても失礼になりません。
AIに型を作ってもらうときは、「断る理由は書かないでください」と添えます。理由を書くと、相手との行き違いのもとになるからです。送る前に、人が読んで、事業所の言葉として自然かを確かめる流れは、ほかの返信と同じです。
返信の文面を、少しずつ育てる
最初に作った型は、使っているうちに、直したい点が見つかります。「この言い回しは硬い」「ここに一言足したい」と気づいたら、その場で型を直します。直した型は、全員が使える場所に置きます。型が育つほど、誰が返しても同じ丁寧さで返せるようになります。
見学の当日につなげる
見学が決まったら、当日の案内の流れも、短い文にしておくと親切です。着いたらどこに声をかけるか、見学にかかる時間はどのくらいか。こうした案内を、前日に送る連絡文にしておきます。この連絡文の下書きも、AIで作れます。
まずは今週、届いた問い合わせの1通を使って、返信の下書きをAIに作らせてみてください。送る前に、日時と場所を人の目で確かめる。その1点だけ守れば、返信の早さと丁寧さを、両方上げることができます。
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