AIに質問すれば、それらしい答えはすぐ返ってきます。けれど、その答えが本当かどうか、確かめ方が分からない。長い資料を要約させても、元の資料に無いことが混ざっていないか気づけない。この記事では、AIに調べ物を頼んだ答えを、元の資料と別のAIで確かめてから仕事に使うまでの手順を書きます。
AIに何度もだまされてきた
僕は、AIに何度もだまされてきました。ChatGPTに「明日までにやります」と言われて3日待ち、最後に「その機能は無い」と言われたことがあります。2025年11月には、ChatGPTが「途中でバージョンが変わったからできなくなった」と言い出しました。根拠が無いと判断して、申請を全部やり直しています。2025年9月には、知り合いの会社が、AI検索の答えで「廃業した」と書かれているのを見つけました。ChatGPTに聞いても同じでした。
AIは、間違いを自信たっぷりに言います。言い方がもっともらしいほど、こちらは信じてしまいます。ここが調べ物でいちばん怖い所です。
3つのAIで多数決、そして元の資料に当たる
そこで僕が編み出したのが、同じことを3つのAIに聞いて多数決を取るやり方です。2025年7月には、人にも勧めていました。半年ほど使うと、答えはだいたい2対1に分かれます。1つだけ違う答えを出したAIを疑えばよいのです。当時はChatGPT・Genspark・Manusの3つで比べていました。どのAIを使うかは今は違っても、やり方はそのまま使えます。
もう1つの柱が、元の資料に当たることです。2025年6月、補助金の資料などをNotebookLMに入れ、答えが資料のどこから来たかを確かめる使い方を、打合せで紹介し合いました。NotebookLMは、自分の資料を入れて質問できるGoogleのAIです。12月の共同セミナーでは「YouTubeを文字起こししてNotebookLMに集め、正しさは自分で確かめる」と話しています。
それでも、確かめたつもりの落とし穴は残りました。2026年9月、AIが「89問すべて合格」と報告してきた検査を、別のAIに検査させたら差し戻されたのです。原本のPDFを通さずに、合格と言っていました。確かめる役と作る役を分ける。これが今の僕の答えです。
調べ物を確かめる手順
1. 調べたいことを1つ決める
仕事で今、本当に調べたいことを1つ選びます。例えば、来年変わる制度や、取引先の会社の概要です。最初は1つだけで構いません。
2. 根拠を付けさせる頼み方で聞く
AIエージェントに、次の型で頼みます。
「(調べたいこと)を調べて。答えには、それぞれ根拠のURLか資料の場所を付けて。分からないことは分からないと書いて、推測で埋めないで。推測を書くときは推測と書いて」
根拠を出させるのは、どんな調べ物でも毎回やります。推測と事実を分けて書かせるだけで、どこを確かめればよいかが見えてきます。
3. 根拠を2つ開いて、その文が本当にあるか見る
出てきた根拠のURLを2つ、自分で開きます。答えに書かれた文が、そのページに本当にあるかを見ます。お金・法律・お客様に関わる調べ物では、この段を飛ばさないでください。
4. 同じ質問を別のAIに投げる
同じ質問を、別のAIに投げます。Web版のチャットで十分です。答えが割れそうな時や、初めての分野の時ほど効きます。
5. 違う所に印を付けて、元の資料で決める
2つの答えで違う所に印を付け、元の資料を見て、どちらが正しいかを決めます。ここまでで20分ほどです。仕事で使う答えに、自分で確かめた出典が付いていれば合格です。
AIが間違えやすい所と、つまずいた時の直し方
AIが間違えやすい所は、だいたい決まっています。
- 新しいこと: 最近変わった制度や画面は、AIが覚えている時点より後の話です
- 細かい数字: 日付や件数は、それらしい数字を作りやすい所です
- できる・できない: 機能の有無をよく取り違えます。最後は画面で試します
- 固有の会社や人: 別の会社と混ざったり、古い情報のままだったりします
つまずきやすい所と直し方も挙げておきます。
- 根拠のURLを開くとページが無い: AIが作ったURLのことがあります。そのURLの答えは使いません
- 2つのAIの答えが全然違う: 3つ目に聞きます。それでも割れたら、公式の窓口や専門家に確かめます
- 英語の資料しか無い: AIに訳させて構いません。ただし数字と固有名詞は、元の英語でも確かめます
- できますと言われたのに画面に無い: 画面の写しを貼って「この画面のどこ?」と聞きます。無ければ、できない前提で進めます
今から始める社長へ
AIは調べ物を速くしてくれます。けれど、確かめる所までAIに任せきりにすると、間違いもそのまま仕事に入ってきます。書いたAIに「間違いはない?」と聞いても、たいてい「ありません」と返ってきます。
だから僕は、作る役と確かめる役を分けています。例えばプレスリリースの下書きは、書いたAIとは別のAIに渡して、事実・数字・言い過ぎを確かめさせています。「この中で、根拠が書かれていない数字と、言い過ぎの表現を全部挙げて」と頼み、挙がった所は自分で根拠を足すか、消すかを決めます。
まずは今日の調べ物を1つだけ、根拠を付けさせて、2つのAIで比べてみてください。確かめた答えは、自分の資料の置き場にためておくと、次から調べ直さずに済みます。
この記事の段取りを、自分の会社で回せるようにしたい方へ
音声メモから投稿文を作る、地図検索とSNSを整える、問い合わせをフォームで受けて一覧で管理する。集客から受付までの「小さな営業導線」を、AIを使って自分の手で作る実務講座を開いています。オンラインで30分の無料個別相談から始められます。
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