ご家族からの問い合わせへの返信を、AIと一緒に下書きする——言い方の型

ご家族からの連絡には、返信に時間がかかるものがあります。「最近、家で疲れた様子なのですが」「作業の内容を変えてもらえませんか」といった、事実の確認と気持ちへの配慮の両方が必要な連絡です。

この記事では、そうした返信を、AIと一緒に下書きする進め方をお伝えします。AIが担うのは、言葉の組み立ての手伝いです。何を伝えるかを決めるのは、事業所の職員です。

目次

返信を3つの部品に分ける

返信は、次の3つの部品でできています。

  • 受け止め(連絡をいただいたことへの感謝、気持ちへの理解)
  • 事実(事業所で何があったか、何を確認したか)
  • これから(事業所として何をするか、ご家庭にお願いしたいこと)

どの部品でつまずいているかで、AIの使い方が変わります。「受け止め」の言葉が出てこないときは、AIに案を出してもらいます。「事実」は、職員が記録で確かめます。「これから」は、管理者と相談して決めます。AIが書けるのは、このうち言葉にする部分だけです。

先に事実と方針を決めてから、AIに頼む

いきなり「返信を書いて」と頼むと、AIは事実を想像で埋めてしまいます。先に職員が、次のことを短い箇条書きにします。

  • ご家族の連絡の要点(個人が特定できる情報は伏せる)
  • 記録で確かめた事実
  • 事業所としてこれからすること
  • 書いてはいけないこと(まだ決まっていないこと、他の利用者さんのこと)

そのうえで、次のように頼みます。

  • 下の内容だけを使って、ご家族への返信の下書きを作ってください
  • はじめに、連絡をいただいたことへの感謝と、気持ちへの理解を1〜2文で
  • 次に事実、最後にこれからの対応を書いてください
  • 書いていない約束や、期限は入れないでください

最後の1行が大切です。AIは、親切のつもりで「すぐに対応いたします」「来週までにご連絡します」といった約束を書き足すことがあります。事業所が約束していないことが書かれた返信は、あとで困る原因になります。

言い回しを整える

下書きを読んで、言い回しを整えます。確かめるのは次の点です。

  • 難しい言葉や専門用語を使っていないか
  • 責められているように読める言葉がないか
  • 長すぎないか。要点が最初の3行に入っているか

「言い訳に聞こえないか」もAIに聞けます。完成した下書きを渡して、「ご家族の立場で読んで、冷たく感じる部分があれば教えてください」と頼むと、気づかなかった言い回しを指摘してくれます。指摘をどう受けるかは、人が決めます。

電話のほうがよい連絡もある

文章で返信しないほうがよい連絡もあります。ご家族が強く心配されているとき、怒りや悲しみが文面から伝わるとき、事故やけがに関わるとき。こうした連絡は、まず電話で話すか、お会いして話します。

AIの下書きは、電話のあとに文字で残す確認の文章を作るときに役立ちます。「お電話でお話しした内容を、確認のために書面でお送りします」という使い方です。電話の内容は、職員が箇条書きにして渡します。

返信の記録を残す

どんな連絡に、どう返したかは、記録として残します。次の担当に引き継ぐためと、同じ質問が来たときに素早く返せるようにするためです。

よくある質問と返信の型が集まったら、「よくある質問」の紙にまとめます。作業の内容、送迎の時間、持ち物、休むときの連絡の方法。こうした定型の質問は、型を持っておくだけで返信の時間が短くなります。型は、年に1度見直します。

守ること

利用者さんやご家族の個人情報は、伏せてからAIに渡します。伏せ方は、利用者さんの情報をAIに入れる前の記事で詳しくお伝えしています。また、お知らせを一斉に届ける方法は、事業所のブログの別の記事でも触れています。

返信の下書きを職員どうしで読み合う

返信は、送る前に、もう1人の職員が読みます。AIの下書きかどうかに関わらず、ご家族へ出す文章は、1人で決めないほうが安心です。

読み合うときの観点は、3つに絞ります。事実に間違いがないか、約束を書いていないか、読んで責められているように感じないか。この3つを確かめるのに、1通あたり数分もかかりません。慣れてくると、読み合いの時間は短くなり、返信の質は上がります。

返信にかかった時間を測る

AIを使い始めたら、返信にかかった時間を、1か月ほど記録します。以前と比べて短くなったか、短くならなかったかを確かめるためです。短くならない場合は、事実の確認に時間がかかっている可能性があります。その場合は、記録の置き場所や、確認の流れを見直すほうが効果的です。AIは、言葉の部分を手伝う道具です。事実を確かめる時間は、別の工夫で短くします。

迷ったときは、管理者に相談する

AIの下書きを読んでも、どう返せばよいか決められないことがあります。そのときは、返信を急がず、管理者に相談します。返信の期限は、ご家族に「確認して、いつまでにご連絡します」と一度伝えれば、少し延ばせます。慌てて書いた返信より、確認してから書いた返信のほうが、信頼されます。AIの下書きは、考える時間を作るための道具として使います。

まずは、直近で返信に悩んだ連絡を1件選んで、事実と方針を箇条書きにするところから始めてみてください。

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この記事を書いた人

(株)トレジャーハンティング、アイ・シー・エス通商(株)、(株)ヒミコ代表取締役。15年以上、自社のネット集客を手掛けてきた実績をもとに、ネット集客コンサルティングを行ってきた。現在、GoHighLevelを使ったGoogleマップレビュー代行を中心に活動している。

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