不動産会社の事務には、紙とFAXが残っています。管理会社から届く明細、業者からの請求書、手書きの受付の控え。それを見ながら、表計算ソフトへ打ち直し、会計の入力へつなぐ。月末が近づくと、この打ち直しが事務の時間を占めます。
私たちは、手書きの伝票やFAXの写真を表にするお試しの道具と、請求書の作成を助ける流れを考えてきました。この記事では、任せてよい範囲と、人が確かめる範囲の分け方をお伝えします。
請求書づくりは、いつもの形を変えない
請求書をAIに作らせるときの要は、見た目を変えないことです。長年使ってきた表計算ソフトのひな形があるなら、それを読み込ませて、同じ見た目の請求書を作れるようにします。取引先は、いつもと違う形の請求書が届くと戸惑うからです。
流れは次のとおりです。
- ひな形の項目(宛先、日付、明細、合計、振込先)をAIに読ませる
- 今月の中身を入れて、請求書の下書きを作る
- 人が数字を確かめる
- PDFにして、押印し、送る
AIが担うのは、1と2です。3と4は人です。特に送る操作は、取引先へ届くものなので、人が最後に押します。
手書きとFAXは、「読めない」を隠さない
手書きの伝票やFAXの写真を表にする場合、いちばん困るのは、読み違いに気づかないことです。そこで、読み取りの段で、読めない字は「?」と表示して、どこが読めなかったかを出す作りにしました。AIがそれらしく補うより、読めないと言ってくれるほうが、人が確かめる場所がわかります。
また、紙に書いていない値は、空欄のままにします。金額や合計が書かれていないのに、AIが数字を作ることは、あってはなりません。
数字の突き合わせは、機械が行う
明細の数字は、機械で突き合わせられます。
- 数量と単価を掛けた値が、金額と合っているか
- 明細の金額の合計が、小計と合っているか
- 小計と税を足した値が、合計と合っているか
合わない所は、直さずに赤く出します。直してしまうと、どちらが正しいかがわからなくなるからです。赤い所だけを人が見れば、手書きの7を1と読んだような間違いを、すばやく見つけられます。
会計ソフトへ渡す形も、選べるようにしておく
表にしたあとの使い方は、会社ごとに違います。明細の表のまま見たい方、会計ソフトに貼れる形(1枚の伝票を1行)にしたい方、受注や出荷の一覧にしたい方。列の名前を自分で指定できるようにしておけば、いつもの表の形で出せます。表のマスは、その場で直せる形にします。
試してみたい方は、手書きの伝票やFAXを表にする無料のお試しのページをどうぞ。架空の見本か、名前と電話番号を消した伝票で使ってください。置いた画像と結果は保存されません。
請求のあとの記録まで、一か所にまとめる
請求書を出したあとは、入金の確認があります。請求と入金の履歴を、お客様の記録と同じ場所に残しておけば、「この請求は入金されたか」を、担当者に聞かずに確認できます。請求書の作成から入金の記録までを同じ場所に置くと、月末の突き合わせが短くなります。
取引先ごとの癖を、少しずつ覚えさせる
請求書や明細の形は、取引先ごとに違います。同じ会社からは、毎月ほぼ同じ形の書類が届くので、最初の数回で形を確認して、以後はその形に合わせて読み取る使い方が向いています。新しい取引先の書類が届いたときだけ、人が最初の1枚を確かめれば、あとは任せられます。
月末の流れを3段に分ける
月末の作業は、3段に分けると軽くなります。
- 読み取り:届いた書類の写真を、まとめて表にする
- 突き合わせ:数量と単価、明細と小計、小計と合計を、機械が合わせる
- 確認:赤く出た所だけを、人が見て直す
人が見る所は、赤くなった所だけです。全部を見直す必要はありません。事務の時間が、打ち直しから、確認に移ります。
人が最後に確かめる理由
請求書や伝票は、お金に直結する書類です。読み取りの正解率が99%でも、残りの1%が金額なら、問題になります。だからこそ、読み取りの最後には、人が確かめる段を残します。機械が速く下書きを作り、人が責任を持って確定する。この分担が、事務の負担を減らしながら、間違いを防ぐ形です。
自社の実測
自社の試験で、架空の伝票5種(手書きの納品書、FAXの注文書、手書きの出荷伝票、手書きの作業報告書、FAXの請求書)を、それぞれ3回ずつ読ませました。330欄のうち327欄が正解で、正解率は99.1%、1枚あたり平均17秒でした。外れた3欄は、3回とも同じ、FAXでかすれた店名の1字でした。速さを重視した設定では、321欄が正解で97.3%、平均6秒でした。紙に無い金額や合計をAIが作ってしまった回は、15回のうち0回でした。ただし、これは架空の伝票での結果です。実際の伝票は、紙の汚れや字の癖が違うため、この数字がそのまま当てはまるとは限りません。
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