過去の反響のお客様、以前に売却を相談された方、紹介してくださった方。何年分もの名簿が、表計算ソフトやファイルの中で眠っている不動産会社は、少なくありません。今になって「その後、いかがですか」と声をかければ、住み替えや相続のタイミングが合う方がいるかもしれません。
ただ、名簿に一斉に連絡を送ると決める前に、決めておくことがあります。私たちは、検証用の口座で掘り起こしの流れを組みながら、先に決めておくべき4つのことが見えてきました。この記事では、その4つをお伝えします。
1. 誰に声をかけるか(対象の選び方)
名簿の全員に送る必要はありません。まず、最後に連絡したのがいつか、どんな区分の方か、で絞ります。
- 最後の連絡から何か月が過ぎた方を対象にするか
- 買主、売主、投資家、紹介してくださった方のうち、誰から始めるか
- 前に「連絡は不要」と言われた方は、確実に外す
私たちの試作では、お客様を買主、売主、投資家、紹介の4つの区分に分けて記録する項目を作りました。区分があれば、声のかけ方を変えられます。売主だった方へは、その後の住まいのご様子を尋ねる。紹介してくださった方へは、お礼から始める。同じ文面を全員に送らないための仕掛けです。
何か月を対象にするかは、会社ごとの感覚で決めます。ここは機械が決めることではなく、社長が決めることです。
2. その名簿に、送ってよいか
名簿を作ったときに、連絡の目的に同意をもらっていたか。ここが最も大切です。メールで広告や案内を送る場合は、事前の同意の有無が問題になることがあります。紙の手紙でも、個人情報の扱いの決まりがあります。
名簿のどの部分が、どの目的で集めたものなのかを、送る前に確かめてください。迷う部分は、送らない選択もあります。決まりの解釈は、専門家に確かめるのが安全です。
3. 返事が来たら、どう動くか
声をかけて、返事が来た方を、そのまま次の連絡の対象に残してしまうと、「返事をしたのに、また同じ案内が来た」という事態になります。
試作では、次の2段の流れにしました。
- 掘り起こしの連絡は、間をあけて2通まで。反応が無い方には、担当者の電話のタスクを作って終える
- 返信があった方は、掘り起こしの流れから外して、通常の追客の流れへ戻す
返信があった時点で、機械的な連絡を止めて、人の対応に切り替えます。返信は、人が話す合図だからです。
4. 止める条件
流れを動かし始めたら、止める条件も決めておきます。
- 配信の停止を求められたら、直ちに名簿から外す
- 宛先の誤りで戻ってきた連絡が続いたら、その名簿を見直す
- 想定より反応が悪くても、文面を変えずに追加で送り続けない
止める条件を先に決めておけば、迷わず止められます。
見込みの度合いを、点数で見える化する
反応があった方が増えてきたら、誰に先に電話するかが問題になります。試作では、問い合わせ、予算の記載、時期、内見の希望、予約といった行動に点数を付けて、合計から冷、温、熱の3段階に分ける式を作りました。熱の方は、担当者へ通知し、その日のうちのタスクを作ります。点数の付け方は、会社の感覚で調整できます。
文面は短く、売り込みにしない
掘り起こしの連絡は、売り込みの文面にしないほうが、返事が来やすくなります。近況を尋ねる、住まいのことで困っていないかを尋ねる、いつでも相談を受けられると伝える。この3つで十分です。物件の案内を並べるより、返事のしやすさを優先します。返事の方法は、メールの返信か、電話の1つに絞ります。
名簿そのものも整える
連絡を始める前に、名簿の整理が要ります。重複した登録の統合、古い住所の見直し、亡くなられた方や連絡不要の方の除外です。整理せずに送ると、同じ方へ2通届いたり、連絡してはいけない方へ届いたりします。名簿の整理は地味な作業ですが、掘り起こしの成否を左右します。
小さく始める
名簿が何百人分もあっても、最初に送るのは数十人で構いません。反応を見て、文面を直し、返事への動きを確かめてから、対象を広げます。最初の数十人への連絡で、返事がどのくらい来るか、返事が来たときに担当者が動けるかがわかります。一斉に送って、あとから困るより、小さく試してから広げるほうが、安全です。
自社の実測
検証用の口座に、掘り起こしの流れ(2通の連絡と、反応が無い方へのタスク)と、返信があった方を外して通常の追客へ戻す流れを、下書きで組みました。見込みの点数の式は、手元の試験8本がすべて合格しています。ただし、これらの流れは、実際には動かしていません。掘り起こしの対象を、最後の連絡から何か月にするかも、人が決める項目として残してあります。実際のお客様の名簿に対する反応は、まだ測れていません。
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掘り起こしたあとの記録の残し方は通話録音の記事に、始める順番は最初の30日の記事に書きました。
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