新人職員の記録に赤を入れる前に、AIに下読みをさせる

新しく入った職員の記録に、ベテランの職員が赤を入れる。多くの事業所で行われていることですが、指導する側の時間がなくなる原因にもなっています。毎日の記録を1件ずつ読んで、直す点を探すのは、手間のかかる仕事です。

この記事では、AIに下読みをさせて、指摘の候補を挙げてもらう方法をお伝えします。AIの役割は、読み手の手間を減らすことです。何を指摘して、どう伝えるかは、教える人が決めます。

目次

赤入れが続かない理由

赤入れが続かない理由は、主に次の3つです。

  • 1件ごとに読む時間がかかり、忙しい日は後回しになる
  • 指摘が多すぎて、新人が何から直せばよいか分からない
  • 指導する人によって、指摘する点が違う

AIが助けられるのは、1つめと3つめです。2つめは、人の工夫です。指摘は一度に3つまでにして、新人が1つずつ直せるようにします。

見る観点を先に決める

AIに下読みさせる前に、事業所として、記録を見る観点を決めます。たとえば次のような観点です。

  • 事実と所感が分かれているか
  • 日付、時刻、場所が書かれているか
  • 評価の言葉(やる気がない、問題がある、など)を事実の欄に書いていないか
  • 他の利用者さんの情報が混ざっていないか
  • 次にすることが書かれているか

観点は、5つ以内にします。多すぎると、AIも人も追いきれません。観点を決める作業そのものが、事業所の記録の考え方をそろえる機会になります。事実と所感の分け方は、事実と所感に分ける記事にもまとめています。

記録を伏せてAIに渡す

新人の書いた記録を、利用者さんのお名前を記号に伏せてAIに渡します。次のように頼みます。

  • 下の記録を、次の5つの観点で読んでください
  • 観点ごとに、「できている」「改善の余地がある」のどちらかを示し、改善の余地がある場合は、該当の部分を引用してください
  • 書き直した文章は作らず、指摘だけにしてください
  • 記録に書かれていない内容を、推測で補わないでください

書き直しを作らせないのは、新人が自分で直す機会を残すためです。AIが直した文章をそのまま写すだけだと、新人の書く力が育ちません。

指摘を選んで、人が伝える

AIの指摘は、候補として受け取ります。教える人が、指摘の中から、今の新人に伝えるべきことを選びます。

  • 最も大事な指摘を、1〜3つに絞る
  • できていることを先に伝える
  • 指摘は、「こう書くと伝わりやすい」という形で伝える

AIの指摘には、的外れなものや、細かすぎるものもあります。新人に全部伝えず、選んで伝えることが、教える人の仕事です。AIの指摘が正しいかどうかは、元の記録に戻って確かめます。

新人が自分でAIを使う場合

慣れてきたら、新人が自分で、書いた記録をAIに確認してもらう使い方もあります。この場合は、事業所の決まりを先に伝えます。

  • 利用者さんの名前や、個人が特定できる情報は、伏せてから渡す
  • AIの指摘は、気づきの材料として使い、そのまま写さない
  • 迷ったら、先輩の職員に聞く

AIに聞けば答えが出る、という使い方に偏ると、事業所での判断を学ぶ機会が減ります。新人が最後は先輩に確認することを、決まりにしておきます。

教え方の記録も残す

どんな指摘が多かったかを、月に1度、見返します。同じ指摘が多いなら、研修の内容や、記録の様式のほうを見直すサインです。新しく入った職員を迎える最初の1週間の段取りは、事業所のブログの別の記事で紹介しています。

記録の読み返しに関する記事は、モニタリングの前の読み返しの記事にもあります。全体の地図はこちらの記事です。

指導する人の負担も測る

AIの下読みを始めたら、赤入れにかかった時間を、1か月ほど測ってみます。以前より短くなったか、短くならなかったかを確かめるためです。短くならないなら、観点が多すぎるか、AIの指摘が細かすぎる可能性があります。観点を減らすか、指摘を3つまでに絞るよう、頼み方を直します。

新人の気持ちに配慮する

AIに記録を読ませていることを、新人に隠す必要はありません。むしろ、最初に伝えておきます。「AIが下読みをして、私が選んで伝えます」と説明すると、新人も、安心して記録を書けます。

また、新人の記録に対する指摘は、人格や能力への評価として伝えません。「次はこう書くと、もっと伝わりやすくなる」という、書き方の話にとどめます。AIの指摘は、あくまで道具であり、新人を評価するものではないことを、教える人が伝えます。

小さく始める

最初から全員の記録をAIに下読みさせず、1人の新人、1週間だけで試します。指摘の質、指導する人の時間、新人の受け止め方を見て、続けるか決めます。始めやすい形で始めて、直しながら広げていく。それが、事業所に合った使い方を見つけるいちばん近道です。

まずは、新人の職員の記録を1件、伏せたうえで、上の5つの観点でAIに読ませてみてください。

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この記事を書いた人

(株)トレジャーハンティング、アイ・シー・エス通商(株)、(株)ヒミコ代表取締役。15年以上、自社のネット集客を手掛けてきた実績をもとに、ネット集客コンサルティングを行ってきた。現在、GoHighLevelを使ったGoogleマップレビュー代行を中心に活動している。

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