事業所の問い合わせ先を、職員の個人アドレスにしない——共有の受け口の作り方

事業所のホームページやパンフレットに載っているメールアドレスが、実は職員の個人のアドレスだった。小さな事業所では、意外とよくある話です。

立ち上げのときに、手が空いていた職員のアドレスをそのまま載せた。その職員が問い合わせの対応をずっと続けてきた。ところが、その職員が休みを取ったり、退職したりしたとたん、問い合わせが誰にも読まれないまま止まってしまう。私も似たような経験をしたことがあります。

この記事では、事業所の問い合わせ先を個人のアドレスから切り離し、共有の受け口に整える順番をお伝えします。

目次

個人のアドレスで受けると起きること

個人のアドレスで問い合わせを受けていると、いくつかの困りごとが起きます。

まず、その職員がいないと、問い合わせが止まります。休みの日や、体調を崩したとき、長い休みのときも同じです。見学を考えているご家族からの問い合わせが何日も放置されれば、事業所の印象は悪くなります。

次に、やり取りの記録が個人の手元に閉じてしまいます。過去にどんな問い合わせがあり、どう返したのかを、ほかの職員が確かめられません。

そして、退職したときの引き継ぎが難しくなります。アドレスそのものを止めれば、問い合わせは届かなくなります。かといって、退職した職員のアドレスを使い続けるわけにもいきません。

1. 事業所としての受け口を1つ決める

最初にするのは、事業所としての問い合わせの受け口を1つ決めることです。担当者の名前が入らない、事業所の役割だけを表すアドレスを用意します。

大切なのは、この受け口を「誰か1人のもの」にしないことです。複数の職員が見られるようにしておき、誰が休んでも、誰かが気づける状態にします。

2. 載せている場所を洗い出す

次に、今のアドレスが載っている場所を洗い出します。ホームページ、パンフレット、名刺、求人の案内、関係機関に届けている書類。思っている以上に、あちこちに載っていることがあります。

洗い出した場所は、新しい受け口に順番に置き換えていきます。紙のものは、次に刷り直すときに直せば構いません。ホームページなど、すぐに直せるものから手をつけます。

3. 古いアドレスからの移り方を決める

古い個人アドレスに届く問い合わせを、しばらくの間どう扱うかも決めておきます。すぐに止めてしまうと、紙のパンフレットを見た方からの連絡が届かなくなります。

一定の期間は、古いアドレスに届いたメールを新しい受け口にも転送するようにしておく。あるいは、自動で「新しい問い合わせ先はこちらです」と返すようにしておく。移る期間を決め、その間は届いたものが漏れないようにします。

4. 問い合わせを1か所にまとめる

メールだけでなく、ホームページの問い合わせフォームや、電話、SMSなど、問い合わせの入口はいくつもあります。それぞれが別々の場所に届いていると、確かめる手間が増え、見落としも起きやすくなります。

問い合わせを1か所にまとめて見られるようにしておくと、管理がぐっと楽になります。フォームからの問い合わせも、メールも、同じ場所で一覧できる。電話の受付をAIに任せていれば、その記録も同じ場所に残せます。誰がどの問い合わせに対応したかも、そこで確かめられます。

5. 返す人と時間を決めておく

共有の受け口にすると、今度は「誰かが返すだろう」と思って、誰も返さないということが起きがちです。だから、返す人と時間を決めておきます。

たとえば、午前中に届いた問い合わせは昼までに、午後の分は夕方の送迎のあとに、担当の職員が確かめて返す。担当が休みの日は、代わりの職員を決めておく。問い合わせがあったら、受け付けたことを自動でメールで返すようにしておけば、返事までの間も相手を不安にさせずに済みます。

返事の文面は、よくある問い合わせごとに型を作っておくと便利です。見学の申込、利用の相談、作業の依頼。型の下書きは、相談できるAIに手伝ってもらうと早く作れます。

個人の情報の扱いにも気をつける

問い合わせには、利用を考えている方の状況や、ご家族の事情が書かれていることがあります。共有の受け口にすると、それを見られる職員が増えます。

誰が見てよいのかを決め、見た内容を必要以上に広めないことを職員の間で確かめておきます。利用者さんの詳しい事情は、メールでのやり取りではなく、面談や電話で職員が直接伺う形に回すのが安心です。

退職や異動のときの手順に入れておく

共有の受け口を作ったあとも、職員の退職や異動のたびに見直すことがあります。受け口を見られる職員の中から、辞める職員を外す。代わりに誰が見るのかを決める。こうした手順を、退職や異動のときの確認事項の中に入れておきます。

新しく入った職員には、最初の週のうちに受け口の見方と返し方を伝えます。問い合わせへの対応は、事業所の顔になる仕事です。誰が受け持っても同じように返せるよう、返事の型と一緒に渡しておくと安心です。

まずは載っている場所を数えてみる

問い合わせ先の見直しは、大きな作業に思えるかもしれません。けれど、最初の1歩は小さなものです。今のアドレスがどこに載っているかを、職員と一緒に数えてみてください。

その一覧があれば、どこから直せばよいかが見えてきます。誰が休んでも問い合わせが止まらない事業所は、ご家族や関係機関にとって、安心して連絡できる事業所です。

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この記事を書いた人

(株)トレジャーハンティング、アイ・シー・エス通商(株)、(株)ヒミコ代表取締役。15年以上、自社のネット集客を手掛けてきた実績をもとに、ネット集客コンサルティングを行ってきた。現在、GoHighLevelを使ったGoogleマップレビュー代行を中心に活動している。

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