事業所の掲示物を整える——貼りっぱなしをやめ、読まれる壁にする

事業所の壁を見渡すと、たくさんの紙が貼られていることに気づきます。行事のお知らせ、作業の手順、感染症の注意、当番表、連絡先の一覧。どれも必要があって貼ったものですが、気づけば壁一面が紙で埋まっていました。

私の事業所でも、以前は掲示物が増える一方でした。新しい紙を貼ることはあっても、古い紙をはがすことはほとんどない。その結果、本当に見てほしいお知らせが、ほかの紙に埋もれて読まれなくなっていたのです。

この記事では、事業所の掲示物を整えて、読まれる壁にするための手順をお伝えします。

目次

掲示物は、増えるほど読まれなくなる

掲示物が多すぎると、人は全体を眺めるだけで、1枚ずつ読まなくなります。どれが新しいお知らせで、どれが古いものなのかもわかりません。

利用者さんにとっても、紙が多い壁は情報が多すぎて疲れてしまいます。文字を読むのが苦手な方や、目に入る情報が多いと落ち着かない方もいらっしゃいます。掲示物を整えることは、見た目をすっきりさせるだけでなく、利用者さんの過ごしやすさにもつながります。

1. 今貼られている紙を全部書き出す

最初にするのは、今貼られている掲示物をすべて書き出すことです。どこに、何の紙が、誰向けに貼られているのかを一覧にします。

書き出してみると、同じ内容の紙が2か所に貼られていたり、終わった行事のお知らせが残っていたりすることがわかります。貼った人がわからない紙もあるかもしれません。

2. 誰に向けた紙なのかで分ける

書き出した掲示物を、誰に向けたものかで分けます。利用者さん向け、職員向け、来訪者やご家族向けの3つです。

分けてみると、利用者さんが過ごす場所に職員向けの連絡が貼られていることがあります。職員向けの情報は、職員が使う場所にまとめて貼るほうが伝わりやすく、利用者さんの目に触れさせたくない情報を守ることにもなります。

3. 貼る場所ごとに枚数を決める

次に、貼る場所ごとに、貼ってよい枚数を決めます。たとえば、利用者さん向けの掲示板は5枚まで、というように上限を決めておきます。

上限があると、新しい紙を貼るときに、古い紙を1枚はがす習慣がつきます。何を残し、何をはがすかを考えることで、掲示物が自然と整っていきます。

4. 紙の右下に、貼った日とはがす日を書く

掲示物を貼るときは、紙の隅に、貼った日とはがす予定の日を書いておきます。行事のお知らせなら、行事が終わった翌日。季節の注意なら、季節の終わり。

はがす日が書いてあれば、見た人がすぐに古い紙だとわかります。月に1回、掲示物を見回る日を決めておくと、はがし忘れも減ります。

5. 利用者さん向けの掲示は、見てわかる形にする

利用者さん向けの掲示は、文字だけでなく、絵や写真を添えると伝わりやすくなります。文字は大きく、1枚に書く内容は少なくします。

掲示の文章づくりや、わかりやすい言い回しへの言い換えは、相談できるAIに手伝ってもらうと早く作れます。「もっと短く」「ひらがなを多めに」と頼めば、何通りか案を出してもらえます。最後は職員が読み、利用者さんに合った表現かどうかを確かめます。

壁に貼らなくてよい情報もある

掲示物を整えていくと、壁に貼らなくてもよい情報が見えてきます。ご家族向けの行事の案内は、メール配信でお知らせすれば、壁の紙より確かに届きます。職員向けの連絡は、職員の連絡の場所にまとめたほうが見落としが減ります。

壁に貼るのは、その場で見る必要がある情報だけにしておくと、残った掲示物がきちんと読まれるようになります。

貼る担当を決めておく

掲示物が増えてしまう理由の1つは、どの職員も自由に貼れることです。気づいた職員がその場で貼っていくと、全体を見ている人がいなくなります。

私の事業所では、掲示板ごとに担当の職員を決めました。新しい紙を貼りたいときは、担当に声をかけてから貼ります。担当の職員は、枚数の上限を守り、古い紙をはがす役も受け持ちます。

担当がいることで、掲示板の中身に責任を持つ人がはっきりします。見回りの日に何を確かめればよいかも、担当の職員がわかっているので迷いません。

掲示するときの配慮

掲示物には、利用者さんや職員の名前が載ることがあります。当番表や誕生日のお知らせ、作品の展示などです。来訪者やほかの利用者さんの目に触れる場所に名前を出してよいかは、ご本人やご家族に確かめてから決めます。

写真を掲示する場合も同じです。事業所として、何をどこまで掲示してよいかの決まりを作っておくと、職員ごとに判断が分かれずに済みます。個人情報の扱いは、事業所の方針や、自治体や最新の通知で求められていることを確かめておくと安心です。

また、事業所として掲示が求められている書類もあるかもしれません。掲示物を減らすときは、はがしてよいものかどうかを確かめてから整理します。

まずは1か所の掲示板から

いきなり事業所全体の掲示物を見直すのは大変です。まずは、利用者さんがいちばんよく目にする掲示板1か所から始めてみてください。

古い紙をはがし、残す紙を選び、貼った日とはがす日を書く。それだけで、壁の印象は大きく変わります。整った掲示板を見て、利用者さんや職員がお知らせに目を留めるようになれば、次の掲示板にも広げていけます。

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この記事を書いた人

(株)トレジャーハンティング、アイ・シー・エス通商(株)、(株)ヒミコ代表取締役。15年以上、自社のネット集客を手掛けてきた実績をもとに、ネット集客コンサルティングを行ってきた。現在、GoHighLevelを使ったGoogleマップレビュー代行を中心に活動している。

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