管理者が1人で抱えている仕事を書き出す——任せる前に、まず棚に並べてみる

事業所の管理者をしていると、1日があっという間に過ぎていきます。利用者さんの支援、職員の相談、ご家族への連絡、書類の作成、関係機関とのやり取り。気づけば夜になっていて、今日やろうと思っていたことが手つかずのまま残っている。私にも、そんな日が何度もありました。

「もっと職員に任せればいい」「AIに手伝ってもらえばいい」。そう言われても、何を任せればよいのかがわからない。それは、自分が何を抱えているのかが見えていないからかもしれません。

この記事では、管理者が抱えている仕事を書き出し、棚に並べるように見えるようにする手順をお伝えします。

目次

任せる前に、まず見えるようにする

以前、相談できるAIに事務のどこから任せるかについて書きました。任せる順番を考えるのは大切ですが、その前にもう1つ手順があります。自分が何を抱えているのかを、全部書き出すことです。

頭の中にある仕事は、実際よりも重く感じられます。いくつあるのかわからないまま、どれも大事に思えてしまう。書き出して目の前に並べてみると、思っていたより少なかったり、逆に多すぎたり、同じような仕事が重なっていたりすることに気づきます。

1. 1週間、やったことをそのまま書く

最初にするのは、1週間の間に自分がやったことを、そのまま書き留めることです。大きな仕事も小さな仕事も区別せず、やったことを並べていきます。

「朝、職員の出勤を確かめた」「ご家族からの電話に折り返した」「送迎の順番を組み直した」「請求の書類を確かめた」。細かすぎると感じるくらいで構いません。管理者の仕事は、小さな仕事の積み重ねでできていることが多いからです。

書き留めるのが負担なら、1日の終わりに、その日やったことを声に出して録音しておき、あとで文字にする方法もあります。

2. 月に1回や年に1回の仕事も足す

1週間の記録だけでは、毎週は発生しない仕事が抜けてしまいます。月末の請求の準備、年に1回の書類の更新、行事の段取り。こうした仕事を、思い出せる範囲で書き足します。

過去の予定表やメールを見返すと、忘れていた仕事が見つかることがあります。

3. 仕事を4つの棚に分ける

書き出した仕事を、4つの棚に分けて並べます。

1つめは、管理者でなければできない仕事。職員の評価や人事、利用者さんの支援方針の最終判断、関係機関との大切な話し合いなどです。

2つめは、職員に任せられる仕事。手順が決まっていて、少し教えれば職員でもできる仕事です。

3つめは、仕組みで回せる仕事。決まった日に同じ連絡を送る、問い合わせに受付の返事をする、予約を受け付けて前日に案内を送るといった仕事です。メール配信や予約受付、フォームの自動返信で任せられます。

4つめは、やめてもよい仕事。昔からの習慣で続けているけれど、今は誰も困っていない仕事です。

4. 「やめてもよい」棚から見る

棚に分けたら、最初に見るのは4つめの「やめてもよい」棚です。任せる工夫をする前に、そもそもやらなくてよい仕事を減らすほうが、ずっと効き目があります。

以前は必要だった書類が、今は使われていないことがあります。同じ内容を2か所に記録していることもあります。やめるかどうかは、職員に確かめてから決めます。管理者だけが続けていると思っていた仕事が、実は誰かの役に立っていたということもあるからです。

5. 仕組みの棚と、職員の棚を順に見る

次に、3つめの「仕組みで回せる」棚を見ます。決まった流れの仕事は、1度形を作れば、あとは毎回同じように動かせます。管理者が手作業で送っていたお知らせのメールや、見学の予約の受付は、仕組みにできます。

そのあとで、2つめの「職員に任せられる」棚を見ます。職員に任せるときは、手順を紙1枚にまとめて渡すと、任される側も迷わずに済みます。手順書の下書きは、相談できるAIに手伝ってもらうと早く作れます。

棚は、ときどき並べ直す

仕事の棚は、1度分けたら終わりではありません。職員が育てば、「職員に任せられる」棚に移せる仕事が増えていきます。新しい制度や行事が始まれば、新しい仕事が棚に加わります。

私は、半年に1度くらいを目安に、書き出しをやり直すようにしています。前回の棚と比べてみると、任せられた仕事と、いつの間にかまた自分の手元に戻ってきた仕事がわかります。戻ってきた仕事には、任せ方のどこかに無理があったのかもしれません。

書き出すときの配慮

仕事を書き出していると、利用者さんや職員の名前、個別の事情が一緒に出てくることがあります。書き出した紙やメモは、ほかの人の目に触れない場所で扱います。AIに整理を手伝ってもらうときは、名前を伏せ、仕事の種類だけがわかる形にしてから渡します。

また、この書き出しは、管理者自身の働き方を見直すためのものです。職員の仕事ぶりを評価するための材料にはしないようにしています。

まずは明日1日分を書いてみる

1週間分の書き出しは大変に感じるかもしれません。まずは、明日1日分だけでも、やったことを書き留めてみてください。

1日分を並べてみるだけでも、「これは自分がやらなくてもよいかもしれない」と思う仕事が、きっと1つは見つかります。抱えている仕事が見えるようになると、任せることへのためらいも少しずつ減っていきます。管理者が少し身軽になることは、職員や利用者さんと向き合う時間を取り戻すことにつながります。

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この記事を書いた人

(株)トレジャーハンティング、アイ・シー・エス通商(株)、(株)ヒミコ代表取締役。15年以上、自社のネット集客を手掛けてきた実績をもとに、ネット集客コンサルティングを行ってきた。現在、GoHighLevelを使ったGoogleマップレビュー代行を中心に活動している。

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